シン加藤のコラム(理事長やってます)

シン加藤のコラム 通算第210号  このセリフ、心にしみました

2025.10.31

草彅剛さんが主演を務める「終幕のロンド」というドラマがあります。撮りためたドラマを深夜に見て、見ないまま寝落ちするというライフスタイルを送っているボクですが、このドラマは寝落ちせずに見ています。

 

劇中、草彅さんはシングルファーザーの役ですが、息子さんには「自分がされて嫌なことは人にはしない」と教えています。ところが、息子さんをいじめるクラスメイトたちがいて、それでもやり返さずにこらえている息子さん。父の教えを守っていたわけです。でも本人は父の教えを守っているだけなのにどうしていじめられるのか、どこか納得いかない葛藤も抱えています。

息子さんがいじめられている場面にたまたまでくわした女性(草彅さんとたぶんいい仲になっていくのではないかと思われる存在)が、息子さんを心配し「嫌なことされて黙っていると、それでいいんだって思われちゃう。やり返したり嫌だと伝えたり、逃げたりしてもいい」と励ましました。

で、息子さんはまたいじめられちゃうのですが、いじめっ子の一人を突き飛ばしてけがをさせちゃう。学校から草彅さんは呼び出しを受けますが、女性は私のせいだと謝った上でこう言います。「自分がされて嫌なことは人にはしない。確かに正しいことだと思います。間違ってはいない。ただ、世の中も子どもたちの世界も正論ではできていないんです」

 

さあさあ、心にしみたのは、この次にくる草彅さんのセリフでございます。

「正論と世界との矛盾を誰かが背負うとしたら、私はその誰かの一人になりたいと思います」「まず正論を手にしなければ、矛盾や理不尽が何かは見えてきません。矛盾や理不尽に流されない力は、それと向き合うことでしか身に付きませんから。親として息子にはそういう力を身に付けてほしいんです」

 

生きていれば、特に仕事をしていると、矛盾や理不尽に突き当たって、でもそれを背負わないとならないことって確かにありますよね。それを背負う誰かの一人になりたいという言葉、いいわ。しみました。

ボクなんか、自分で背負わずに誰かに背負わせているだけだと思うから、情けないし恥ずかしいし、反省しかございませんが、せめて誰かが背負ってくれているんだという思いをちゃんと忘れずにいないとならないぞと決めました。でも、ダメ人間なので、忘れたらいけないからここで書いておこうと思った次第です。

 

今の時代、こういうことを書くのもハラスメントになるの???

誰かに背負えと押し付ける気はこれっぽっちもないのですが。

これがもしハラスメントだと言われるなら、その矛盾や理不尽は背負います。

 

 

社会福祉法人はるにれの里 理事長  加藤 潔

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