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加藤のコラム

加藤のコラム第15号

除雪の後に雪が降ると少々頭にくる未熟なボク

 

首都圏で積雪があると、雪の様子や交通などへの影響がメディアでも大きく報じられます。その一方で「雪国に暮らしている人間からしたらこの程度で大雪って騒ぐんじゃないよ」といった声も上がるらしく、そういうのを「雪国マウント」と言うらしいです。こういう言葉って、誰が最初に使い始めたのかとても気になりますが、「ボクが生みの親です」と誰かが宣言したら、「いやボクが最初です」とか、つまらない論争になりそうなので、賢明な真の言い始めの人は何も言わないのだろうと勝手に思っています。

 

さて、雪国マウントを取ろうと思えば取れる雪国に住んでいるボクですが、マウントを取るどころか、除雪の後に自分はなんて未熟なんだろうとしばしば思います。

除雪したあとの光景を見て、我ながら「うむ、きれいだ」と感じ、気分がよくなるのですが、雪という方々は、その余韻を与える温情を見せずにまた降ってくることが数多くあります。未熟なボクはつい思うのでありました。「せっかくきれいに除雪したのにまた降ってきやがって。いい気になるなよ」…なんと、器の小さい人間でしょうか。

 

息子が中学生だったときの話。家のトイレ掃除をした後、「きれいになった」といい気分に浸っていたら、息子が大きいほうの用を足しにトイレに入ろうとしました(彼は日に数回しっかりしたウンコが出る、鳥のような男です。空は飛べませんが)。ボクは思わずこう言ってしまったのです。「せっかくきれいにしたんだから、近くのコンビニでポテチでも買って、ウンコしてこい」…親として、大人として、なんと情けない発言でしょう。いまだに反省しております。でも、その反省が除雪後に降る雪に対しては、まだ生かされていないようです。もっとりっぱな人間になるように精進いたします。

 

みみっちい、小っちゃい人間であることを自覚しながら、除雪後に雪が降ってきても「今しか降るときないもんね」と、大人の独り言を発しようと思います。プロ野球の野村監督は言いました。「組織はリーダーの力量以上には伸びない」→みみっちい、小っちゃい人間ですが、せめて、ややみみっちい、やや小っちゃいくらいまではボク自身成長しないとなないろに迷惑かけますので。

 

 

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔