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加藤のコラム

加藤のコラム第17号

ジャンパーのファスナー縫われちゃった

 

ジャンパーって、今はブルゾンとかって言うんでしょうかね。ブルゾンと呼べるような感じでもない冬用の防寒上着のファスナー(これも前はチャックって言ったよな)が壊れました。正確に言えば、ファスナーを差すところが裂けてしまって、ファスナーを閉じるためにスライドさせる部品に差せなくなったのです。差せないとファスナーは閉まらないので前が開けっぴろげになる→寒い→困った、という状況です。

家に帰って「ファスナー壊れたんだよね」と奥さんに伝えると、彼女は「貸してみ」と言い、5分ほど格闘して「入った~」と言いました。「入ったのか、すげえな」と思いましたが、ジャンパーを床に置きながら5分格闘しないと入らないということですし、着た状態でファスナーを上げられないと現実的ではないわけです。そのことを恐る恐る伝えると「だよね。だったら縫っちゃおう」と言われ、「ん?」と思っている間に…、縫われました。ガッツリ縫われました。

「これだとさ、ファスナーが抜けないから、被って着たり脱いだりしないとならないんじゃないの?」と尋ねたところ、「ファスナーがまだできない小さい子どもはそうやって着てるよ。大丈夫」とあっけらかんと言われました。

「ボクの今年の目標、『おしゃれですね』と一人から本心で言われる、なんだけど、これっておしゃれじゃないよねえ」と、一応ダメもとで言ってみました。「あんたみたいなのがおしゃれと言われるためには、かなり変わったことしないと無理だから、ちょうどいいでしょ。グヒヒヒヒヒ」と笑って返されました。

残りの冬、ボクは、ファスナーがあるのになぜか被って着たり脱いだりする、不思議な男になります。それをおしゃれと言わせられるかどうか、勝ち目のない戦いに挑みたいと思います。

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔