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加藤のコラム

加藤のコラム第24号

ロウリュっていうのを体験してみた

 

先日とある入浴施設に行ったら、セルフロウリュって言うんですかね、自分でサウナストーンに水をかけて室内温度を上げるセットみたいのが置いてありました。ボクはサウナ―でもないし、「ととのう」感じもまったくわかりませんが、「これがロウリュか。やってみないと後悔する」と思ったのであります。ちなみにセルフなので、タオルであおいでくれる人はおりません。

 

たまたまサウナ室にはボク一人だったので、サウナストーンに水をかけてみました。熱い水蒸気が出て、一人なのに「あぢぃー(あつい)」と声に出ました。ボク的には、一回体験すればいいやくらいの気持ちだったのです。

 

そしたら、お客さんが一人入ってきて(Aさんとします)、こう言いました。「水かけていいですか?」

あぢぃーのをひたすら耐えている状況なのですが、Aさんはそんなこと知らないし、「ダメです」というのも粋じゃないし、「いいですよ」と無理して言いました。

 

水をかけられて、さらに、あぢぃーです。ここでサウナ室を出たら、Aさんから「ロウリュに負けたやつ」と思われるので、耐えました。

 

また、お一人入ってきました(Bさんとします)。そして言いました。「水かけていいですか?」

心の中で「かんべんしてくれ~」と叫んでいました。でも、Aさんが「今、かけたばっかりですよ」と言ってくれて、「あんたはエライ!」と心の中で言いました。

しかし、Bさんは「でも、かけていいっすよね」と言って、水をかけるではありませんか。なんという暴挙でしょう。「水かけていいですか?」という質問は何だったんだ?

 

かなり、あぢぃーです。

また、一人入ってきました(Cさんとします)。そして同じことをCさんも言いました。「水かけていいですか?」

AさんとBさんはただうなずいていました。かなり熱いので口を開く気にもならなかったに違いありません。ボクは「一人ずつ入ってくるな。いっぺんに入ってこい」と思いながら、「あと100数えたら出る」と心に決め、すげえ早口で100数えてサウナ室を出ました。やり切った感はひとつもなかった…。

 

でも、自閉症の人の気持ちに少し近付けたかもしれません。

終わりの見えない追加攻撃はしんどい。そして、だれがいつ水をかけたか視覚化してほしい。

 

ボクのロウリュ体験のお話でした。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔