» ごまかし方は人それぞれだけど自閉症者地域生活支援センター なないろ

加藤のコラム

加藤のコラム第28号

ごまかし方は人それぞれだけど

 

我が家は4人家族で、娘も息子もそれぞれ結婚したので独立しましたが、4人それぞれにごまかし方には個性があります。でも何か似ています。遺伝だなと感じます。

先日うちの奥さんがおにぎりを作ってくれまして、「温めた方がおいしい具材を入れたのと、そのまま温めない方がおいしいのと2種類作ったからね」と言いました。「で、どっちがどっちなの?」と聞いたら、二つのおにぎりを見て「・・・・・」。どっちがどっちなのかわからなくなったみたいです。そして、何も言わずにその場からいなくなりました。

娘がまだ2歳か3歳くらいのころ。そこに置いてあったおかずが減っているのを発見。どう考えても娘が食べたのは明白な状況でした。「食べたの?」と聞いたら(怒っていたわけではなくおもしろがって聞いた)、「あれ~、なんだ~、あれ~」と言いながら立ち去っていきました。母親の血を引いています。

息子が高校生のとき。試験の後は得点一覧表みたいなものに押印して学校に戻すというルールだったはずなのに、その得点一覧表がこない。「試験の得点一覧表ってどうした?」と尋ねてみると、「試験が中止になった」というまさかの返答。明らかにごまかそうとしているなと思いつつ、「なんで中止になったの?」とさらに問うと、「さあ」ととぼけていました。悲惨な点数だったため、おそらく自分で加藤の印を買って提出したのでしょう。「試験が中止になった理由くらい考えとけよ。ごまかし方が中途半端だぞ」と心の中でツッコミながら「試験が中止というごまかし方はなかなかな発想だ」と認めることにして、「ふーん」とだけ返しました。

さてボクのごまかし方は、架空のストーリーをでっち上げて言い張るというスタイルですね。ボロが出てもとにかく言い張ります。ごまかしきれなくなって、「ごめんなさい」と言うことがきわめて多いですけど。息子は父親の血を引いています。

ごまかしのない人生を歩みたいのはやまやまですが、実にしょうもない人間なので、ついついごまかしたくなることが多いのですよ。反省反省。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔