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加藤のコラム

加藤のコラム第31号

尿路結石がやってきた

 

とある日曜日、職場にいたら、突然、腰というか背中の下あたりにズドーンと鈍痛が。なんだろうなあと思いつつ、別に耐えられないほどでもなく、午後から外勤して家に戻りました。家に戻ると鈍痛を脇腹に感じ苦しいくらいになり、横になってもちっとも楽にならず、脂汗と微熱が出てきました。そうこうしているうちに吐き気もしてきて、どうやらなんかありそうだぞという気がしてきて夜間救急センターに行くことにしました。

 

そしたら、血尿が出ているし、きっと尿路結石ですねと言われまして、明日すぐに泌尿器科に行ってくださいとのこと。その日の夜はずっと鈍痛で食えず寝られず。

翌月曜日、家の近くの泌尿器科に行き検査を受けたら、「7ミリの石がありますね。膀胱あたりまできてますよ。自然に出るのを2週間待ちましょう。2週間で出なかったら…」とここで間をあけたお医者さん、「手術です」と言いました。この間はなんなの?と思いながらも鈍痛のためそれをツッコむ余裕もなく、家に帰りました。火曜日まで動くのもしんどかったのですが、動けないなりにネットでやはりいろいろ調べちゃって、そうすると「激痛」のワードばかりが飛び込んできます。ただ、ボクの場合、激痛はこないで鈍痛がずっと続いていました。痛みに鈍感というタイプではまったくないので(痛いのは大嫌いだし)、鈍痛と思っていたのが実は激痛レベルだったということではないと思います。

 

寝ていてもよくなるわけでもないし、体を動かさないと石も動かないだろうし、なによりも食べる気がまったく起きないので、水曜日からなけなしの気合いと根性で職場に出ました。うつす病気でもないですし。歩き方はかなりおかしかったと思いますけどね。でも、出る気配なし。だいたい、7ミリの石があそこから出てくるなんて想像できません。7ミリなんか出るわけないだろと思いつつ、でも出るとなったらそりゃ痛いわなという恐怖に怯えながら金曜日まで鈍痛とのお付き合いでした。ひたすら2リットルの麦茶のペットボトルを飲むというノルマを自分に課して。

 

金曜日のお昼前くらいから、排尿時にそこそこの痛みを感じるようになり、(石が出てくる)Xデーは近いなという、根拠のない体内感覚みたいのがありました。同時にいつ激痛がくるのかという恐怖も増し、夜早めに帰宅して、「とにかく酔っぱらってマヒさせよう」という浅はかな考えにいきつきました。

 

酔いながら尿意と便意を感じてトイレに座り、便を出すために多少りきんだ瞬間、性器の先から尿といっしょに黒いのがすっと特に痛みも感じるわけでもなく出てくるのが見えました。「あれ?まさか、出たの?」と思いつつ、でも便も出てきちゃって、その間に石らしき物体は便槽の中に沈み、「確認しなきゃ」と思って便器の中を覗き込んだら、酔っているからなのか元々愚かな人間だからなのか、たぶん「くっせー」と思って無意識に水を流しちゃって。「あーっ」と声に出してももう遅い…。便が出たことは見た目にわかりましたが、石が出たのかどうかは確認することなく流れ去っていったのでした。でも、尿はかなり赤みを帯びていたので、「出たんじゃないかなあ。でも痛くなかったなあ。どうなのかなあ」と、中途半端な気持ちでいたんですけど、鈍痛は感じなくなりました。朝になっても鈍痛はない。

 

次回の通院日はまだまだ先でしたし、痛くないんだから出たんだと勝手に解釈して「もう健康だ」と宣言して生活することにしました。そして14日後の通院日。検査をしたら「石出てますね」というお医者さんのお言葉。このときは間を取ることもなく言っておられまして、心の中で「ここは『石…、出て…、ますね』とタメて言いなさいよ。そのほうがおもしろいのに」とツッコんでおりました。

 

よく言われるところの激痛を味わうことなく石を出すことができて、運がよかったんだなと思います。もしかしたら、尿道だけがなぜか太いという謎の体質なのかもしれませんが、仮にそうだとしても何の自慢にもなりません。

 

みなさん、健康には気をつけましょう。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔