加藤のコラム第34号
おととい何食べた?
記憶力チェック的な問いで「おととい食べたものを思い出してください」というのがよくあるじゃないですか。おととい食べたものを思い出そうとすると、ボクかなり苦労します。むしろ、思い出す作業がめんどくさくなってほぼほぼあきらめます。
食べたこと自体は覚えているので、いわゆる「物忘れ」という脳の老化の一現象だとも思われますが、若い時分からおととい食べたものなんて覚えていただろうかと考えると、この件に関しては老化というより食に対する怠惰だなと反省しております。
食事を作ってくださった方にもちろん感謝していますし、食に対する興味も人並みにはあるつもりです。でも、食事に気を遣う気持ちがきっと薄いのだと思います。食事に対してボクが第一に思うのは、「食えない食材が入っているかどうか」ですから、食えるとなればそれだけで「うまいもの」になります。
おととい食べたものの記憶が薄いということは、昨日食べたものが連続しなければ新鮮な気持ちで食事できるということなので、ボクの場合、2パターンのメニューが交互に繰り返されていれば何の問題もなく食い続けられるということです。こう書くと「毎日献立を一生懸命考えている人間からしたら、なんという失敬な態度だ!」とお怒りの声が聞こえてきそうです。でも、独身時代の一人暮らしや単身赴任生活も数回していますが、少ないレパートリーを繰り返してもまったくむなしさを感じることなく「うめえな」と食ってました。2パターンにプラスしてメニューの変化が時々でもあったら、「こりゃすげえごちそうだな」と心から思えます。
結婚したてのころ、北海道が誇る「焼きそば弁当(ゆで汁でスープが作れる日本最高峰のカップ焼きそば)」をとある理由で連日消費しなくてはならない状況になったことがありました。その消費はボク担当だったのですが、思い返すと確かに1日おきに食ってましたね。それでも飽きることまったくなし。当時は、カップ焼きそばに使い捨てマヨネーズなんてついていない時代でした。うちの奥さんが気を使ったのか、焼きそば弁当にマヨネーズをかけてくれまして、そのとき心から「すげえな。これはすげえごちそうだ」と言ったんですけど、なぜか「バカにしてんのか」とひどく怒られたことがあります。カップ焼きそばにマヨネーズをかけたくらいでほめるのはイヤミ以外のなにものでもないということなんでしょうけど、その変化メニューに心底感動したんですけどね。
話がとりとめもなく脱線していますが、ボクが大金持ちになって(なるわけないけど)、料理人を雇ったら、「食事メニューが2パターンでも何の問題もないからね~」って言えます。2パターンでいいなら料理人を雇う必要もないんですけど。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔