加藤のコラム第40号
人間ドックのお話
先日、人間ドックを受けてきました。毎年受けてます。
人間ドックのメニューの中にバリウム検査というのがありますよね。この検査自体はそんなに苦手ではありません。ちなみに、ボクは注射が大嫌いで、針が体に刺さっていると思うだけでたまらなくもやっとした気持ちになります。もちろん刺さっているところは見ることができませんし、顔は苦悶にゆがみます。針が刺さるときには、恥ずかしい話ですが「うっ」とか「おーっ」とか声が出てしまいます。看護師さんはそんなボクを見て必ず「大丈夫ですか?」と尋ねてくださいますが、「大丈夫じゃないです」といつも正直に答えています。
話がそれました。バリウム検査の話でした。
ゲップを我慢しながら回ったり腕で体を必死に支えたり、トレーニングみたいな動きを指示されるバリウム検査ですが、検査してくださる方に「こいつ、回転遅えな」とか「腕の力、弱ってんな」とか思われないように、いつも全力でその指示に応えようと頑張っております。でも、あとどのくらいで終わるのかの見通しを示してくださらないので、「まだやるんですか」と聞きたくなりますけど。で、終わったら、下剤を飲んでバリウムを体内から排出しないといけないわけです。ここまではさほど苦ではありません。むしろ、トレーニングしたような感覚を味わえますし、注射に比べたら屁でもないです。
問題は翌日あたりに訪れます。下剤でバリウムを排出するとは言え、それですべてが出たわけではないので、定例の排便時にはバリウム成分を含んだ固形の排せつ物が出てきます。ところがですね、バリウムは重たいのかなんなのか、この固形物は水でなかなか流れないのです。人間ドックの翌日には「固形物流れない事件」が勃発します。特に近年の便器は水量も少なめに設定されているようで、あの水量ではバリウムに勝てないらしいです。
しかし、その固形物をアーティスティックなオブジェとして残しておくつもりもないので、何とか水に流すための策を講じるわけです。ボクの場合は、割りばしで固形物を細分化しては水で流すという行為を地道に繰り返します。なんとかかんとか流れてくれて、やっとボクの人間ドックは終わるのです。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔