加藤のコラム第44号
監督の名言
夏の甲子園で優勝した仙台育英高校の須江監督がインタビューで語った「青春は密」という言葉がすばらしいと話題になっておりました。青春という陽の言葉と、コロナでマイナスイメージが付いてしまっている密という陰の言葉を結び付けて、いろいろあるからこそ楽しい青春時代を表現しており、ワードセンスが秀逸だとボクも思います。しかも、コロナ禍で、密な青春時代を謳歌できない高校生たちへの愛のあるメッセージでもあり、絶賛されるのもうなずけます。
ボクの青春時代(ボクにだって一応あった)が密だっただろうかと思い返すと、スカスカだったような気がします。頭の中のほとんどは「モテたい」とか「チヤホヤされたい」とか、そんな卑猥なことばかりで、部活も自分を高めるためにやるのではなく、うまくなったらモテるんじゃないかという下劣な動機のみで練習するという、ゲスな男子だったなと思います。
そんなことを書きたいんじゃなかった…。書きたいのは、監督と呼ばれる職業に就いた人の中には、名言を残した人も多くいて、名監督が名言を残すのか、名言を残す人が名監督になるのかはわかりませんが、含蓄のある言葉が見つかります。
サッカー日本代表監督だったオシム氏の言葉の中にこのようなものがあります。
「本当に強いチームというのは夢を見るのではなく、できることをやるものだ」
この言葉、好きなんです。できることをやる、これが強いチーム。いい言葉です。
野球の野村監督は、こんなことを言っています。
「弱者が強者を倒すには、まとまるしかない」
ボクは勝負の世界で仕事をしていないので、別に誰かを倒すために仕事をしていませんが、「弱者はまとまるしかない」というチーム論はとても納得できます。
最後に、さらに野村監督の言葉。
「トップに立つ人間、すなわちリーダーの考え方が組織の浮沈のカギを握っている」
その通りです。しかし、重い言葉です。ボクはたいした人間ではないので、浮沈のカギは握るなんて恐れ多いです。でも、野村監督はこうも言っています。
「部下を『信じる』というのは、リーダーの重要な資質」
これならばできます。うちのスタッフはみな誠実な頑張り屋さんですから。
そして、こんなことも言っているのです。
「リーダーはクソマジメではダメ。ちょっと悪いぐらいがいい」
この言葉に救われる加藤です。ボクB級の人間なので、この名言を心に刻みます。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔