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加藤のコラム

加藤のコラム第67号

バレンタインにしめサバ

 

先日、とあるところでとある人に「加藤さんって、節分に豆まきするんですか?」と聞かれ、「子どももとっくに独立したので鬼の役をする必然性もないし、巻いた豆を拾うのがめんどくさいので、もう15年くらい豆まきしてないですね」とお答えしました。たぶん、質問者にとってはつまらない回答だったのでしょうね(ボクが本格的な鬼の衣装を着て豆まきしていると想像していたのか?)。すぐさま「バレンタインにチョコレート食べますか?」と質問を変えてきました。「バレンタインにいい思い出なんかひとつもないし、別にチョコレート食べたい人間でもないし、なによりチョコレートもらえないし、チョコレートは食べないですよ」とこれまたつまらない回答をしてしまいました(鼻血出るまで食べてますと言えばよかったかな)。質問者の期待(?)に沿えない回答を二連発したところで、三つめの質問がきまして、「今、食べたいものは何ですか」でした。なんでこの質問なのか、よくわからんなあと思いながら、「しめサバですね」と答えました。たまたましめサバ食いたいモードだったので(ボクの場合、たまにしめサバモードになることがあります)。そしたら、「しめサバ~、いいですね。しめサバ~。いやあ、しめサバときたか~」と質問者の方がなぜか喜んでいました。加藤はちょっと変わったことを言うはずだと妙な先入観をお持ちだったのかもしれません。喜んでくれたのだからまあいいかと思いつつ、ボクの頭の中ではバレンタインとしめサバがくっついて、くだらないことを考え始めたのであります。

 

では、そのくだらない話に進みます。

バレンタインデーにチョコレート、これを考えた人は類まれなるすばらしい商才の持ち主でしょう。もちろん、それがひとつの文化として定着するまでにはある程度の年月がかかったと思われますが、国中がチョコレートで盛り上がるまでになったのは、言い出しっぺの最初の人物がいて、ブームが来るまで辛抱強く頑張ったチームが存在していたからに違いありません。

 

言い出しっぺの人や販売プロジェクトのメンバーの方々にはぜひ会ってみたいですが、そんなコネもないので、何かの番組で特集してくれないかな。

 

バレンタインにチョコレート、この定番はもはや伝統行事みたいなものですから、ずっと続いていけばいいと思います。でも、ちょっと目先を変えた文化をねじ込めないかなあと考えまして。それが「バレンタインにしめサバ」。フランス語で「サバ」って、元気とか大丈夫という意味なので、【ずっと会えていない懐かしいあの人へ「元気です」メッセージを伝えるためのバレンタインにしめサバを送る文化】を新たに作れないでしょうか。高齢者向け企画なのですが。たとえば、若かりし頃の淡い思い出のあの方へ「私は元気ですよ」の意味を込めてしめサバを送るわけです。まあ高齢期ですから、もしかしたらこれが最後のメッセージ(まさに人生のシメのサバ「元気・大丈夫」になってしまうかもしれないけれど…。失言でした。すみません)。そして、ホワイトデーのお返しはサバ缶を贈る習わしもいっしょに作りたいのです。「いい思い出はちゃんと保存してますよ。お互いの元気が逃げていかないように」という意味で。どうですか?なかなかいい企画だと思いません?高齢期の方々にヒットしそうな気がしてなりません。

 

言い出しっぺはボク、あとはこの文化が定着するまで辛抱してくれる販売プロジェクトチームができたらきっといけますよ。いける気がしてるのはボクだけか?鯖業界そして缶詰業界のみなさん(このコラム読んでないか…)、いかがでしょう?

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔