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加藤のコラム

加藤のコラム第78号

いつのまにか言い方が変わるとついていけない

 

街を歩いていたら、「あのパンツいいよねえ」「ほしいほしい」みたいな女性同士の会話が聞こえてきたことがありまして、この場合のパンツ=ズボンだろうなというのは、さすがにボクでもわかります。でも、パンツという音からどうしても下着のほうを先にイメージしてしまうのは年齢からくる悲しい現実というものなのでしょうか。スケベだから下着に結び付けるんだろうという指摘もいただきそうですが、それを言っちゃうと論点がずれるので、ここでは触れません。

 

つまり、いつのまにか言い方が変わっているのに、昔使っていた言葉をついつい使ってしまうと「今、そうは言わないですよ~」なんて言われるんだろうなとか、なんか恥ずかしいというか情けないというかさびしいというか、「昔の言葉を使って何が悪いんだ」と開き直れない中途半端な自分がいるのであります。

 

なんと、「いつのまにか呼び方変わったものリスト」を作っている方がおられて、一覧表にしてくれています。よく整理したもんだと尊敬します。松田優作さんという名優が、刑事ドラマでジーパンという愛称の刑事を演じられていましたが、今だったらデニム刑事になるんでしょうか。言葉は生き物なので変わっていくことは当然だと思いますけれど、昔の言葉を使っても「その言い方は古い」と思わずに、「その言い方、風情がありますね」と言ってほしいものです。そういえば、昔は男女二人を「アベック」とか言っていたけど、今は「カップル」って言いますよね。「カップル」さえもう古いと言われたら、何と言えばいいかわからないボクは「ご両人」と言うしかありません。今日からこの言い方になりますとだれかちゃんと宣言してくれたら、まだなんとかなるんですけど。

 

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔