加藤のコラム第82号
蛙化現象という言葉
「蛙化現象」という言葉があるそうで、物を知らない私は、なぜか懐かしのアニメ「ド根性ガエル」を想像してしまいました。ピョン吉(ぴょんきち)という名のカエルがTシャツにペッタンコとはりついて生きるというド根性を見せ、しかも言葉もしゃべるというコメディです。しかし、残念ながら「蛙化現象」と「ド根性ガエル」はまったく関係がなく、「蛙化現象」についてネットに書いてあった文章を引用します。
「蛙化現象」とは好意を持っていた相手が自分に好意があるとわかった途端に冷めてしまったり、生理的嫌悪感を抱いてしまったりする心理状態です。しかし近年はそこから派生し、相手が自分に好意を持っているか否かは関係なく、自分が好意を持っている相手のささいな言動を見て急に気持ちが冷めてしまうという、いわゆる「好きが一転して大嫌いになる」という感情のことを指すこともあるようです。
グリム童話の一つである「カエルの王様」という話がルーツになっています。しかし、童話のあらすじは、登場人物の好意感情が一転して嫌悪感情に変わるというものではありません。池に金のまりを落としたお姫様(美しさの象徴)が、金のまりを拾ったカエル(醜いものの象徴)の約束を守ろうとせず、嫌悪感を抱き、でも実はカエルが魔法をかけられていた王子様(美しさの象徴)に変身するというストーリーです。
蛙化現象の反対語として「王子化現象」という言葉を使うこともあるようです。蛙化現象は好きから嫌いに感情が動くけれど、王子化現象は嫌いから好きに感情が動くわけですから、王子化現象のほうがいいです。期待値を上げすぎてしまうと最初から王子のイメージになってしまいますから、仕事でもプライベートでも、期待しないところからスタートできればいいのですが。つまり、期待しないところからスタートするというネガティブモードが、実はそこから加点式に評価を積み上げていくポジティブシンキングであるということですね。「意外に王子じゃん」と思えた方が考え方としては幸せです。
ちなみに、ボクはどうひいき目に見ても、王子からのスタートは無理です。したがって、必然的にカエルスタートなので(カエルさんを見下しているわけではありません。あくまで表現上、カエルという言葉を使わせていただいただけでございます)、その意味では、王子化現象に転化していく可能性はゼロではありませんが、悲しいかな王子に変わっていくような人間性が…ない…。したがって、ボクの場合は「蛙のまま現象」ということになります(これまた、念のため申し上げますが、カエルさんを見下しているわけではありません。あくまで表現上、カエルという言葉を使わせていただいただけでございます)。
カエルのまま、ド根性で生きていきます。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔