加藤のコラム第83号
いい組織のありよう
ボクは、研修会で話をするとき、時々ですが「いいチームによくある光景」というスライドをお見せすることがあります。ポイントは5つ。
・一番苦労している(しそうな)人を孤立させていない。
・一番苦労している(しそうな)人に合わせたチーム目標を立てている。
・すきまの仕事をだれかが自然に埋めている。そのだれかが固定化していない。
・愚痴は言うけど批判はしない。
・笑い顔が仕事中にちらほら見える。
そうそう、4つめの「愚痴は言うけど批判はしない」についてのくわしい内容は、「2022.09.17 ボクは愚痴と批判は異なるものだと思っています」をお読みいただければありがたいです。
逆を言えば、この5つのポイントを実行していくことでいいチームになっていくという考え方もできるわけです。
さて、チームよりもっと大きい組織だとどうか。
もちろん、この5つのポイントは基本です。でも、組織として考えた場合には、もう2つ追加したいのです。
・追加① ミスを許せる適度なゆるさがある。
ミスをしていいと言っているわけではありませんよ。ミスは防ぐためにあるので。でも、ミスは必ず起こります。わざとやったわけではないミスを責めない風土は作りたいですし、同時に次のミスを防ぐための努力を当たり前にする風土があるのもいい組織のはずです。それを「適度なゆるさ」と表現しております。サッカー界の至宝であるカズ氏は「学ばない者は人のせいにする。学びつつある者は自分のせいにする。学ぶということを知っている者はだれのせいにもしない。僕は学び続ける人間でいたい」とおっしゃっています。逆に言えば、責めない姿勢そのものが組織を学ぶということでもあるのかもしれません。
・追加② トップがひまそう。
トップが前面に出て陣頭指揮を執るのも組織の形としてはありだとは思いますが、いい組織は強い組織でもあるわけですから、トップがすべての判断をしないと動かない(動けない)組織は強いとは言えないと思うのです。トップがいようがいまいがちゃんと動く組織の具体像のひとつが「トップがひまそう」なのであります。
方向性を示して、最後の責任を取るのがトップの仕事のコアな部分ですから、コア以外はひまであるのが一番のはず。つまり、トップが仕事をしていなくても大丈夫な組織がいい組織ということになります。なないろは、この点においてはにクリアしておりますね。加藤はクソも働いていませんから(品のない表現でした。失礼いたしました)。すべて優秀なスタッフのおかげです。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔