加藤のコラム第85号
今度は「蛇化(ヘビ化)現象」だって
第82号で「蛙化(カエル化)現象」について書いたのですが、「蛇化(ヘビ化)現象」という言葉も出てきたようです。言葉はどんどん進化しますね。
ちなみに「蛙化(カエル化)現象」とは、好意を持っていた相手が自分に好意があるとわかった途端に冷めてしまったり、生理的嫌悪感を抱いてしまったりする心理状態です。しかし近年はそこから派生し、相手が自分に好意を持っているか否かは関係なく、自分が好意を持っている相手のささいな言動を見て急に気持ちが冷めてしまうという、いわゆる「好きが一転して大嫌いになる」という感情のことを指すこともあるようです(加藤のコラム第82号より)。
では「蛇化(ヘビ化)現象」とは何なのでしょうか。インターネットの記事から引用します。
蛇化現象とは、恋人のダサい部分でさえも可愛い、あるいはカッコイイと感じる現象のことを言います。デート中に転ぶ、デートで食事に行った時に財布を忘れる、鼻毛が出ているなど、一般的にだれが見ても「ダサい」と感じてしまう面や抜けている一面も「可愛い」「カッコイイ」と感じ、相手の行動を許してしまう状態像で、TikTokで発信された言葉です。
蛙化(カエル化)現象はマイナスへイメージへの転落ですが、蛇化(ヘビ化)現象は肯定的理解の極みです。ダサい象徴として使われてしまっているヘビさんたちは「名誉棄損だ」とお怒りになるかもしれませんが、肯定的に他者を見るという例えだということをご理解いただければきっと納得してくださるでしょう。
蛇化(ヘビ化)現象に甘えて、だらしないままでいいんだと開き直るのはどうかと思いますが、他者に対して蛇化(ヘビ化)現象の視点で接するのは、リフレーミングの手本でもあるし、対人支援をなりわいとする者にとっては大事なスタンスだと思います。対人支援の業界でよく言われる「肯定的理解をしていきましょう」的なフレーズを「蛇化(ヘビ化)現象を見習いましょう」に置き換えていった方が浸透するかもしれません。
そして何よりボク自身、ダサいところだらけですから、世の人々が蛇化(ヘビ化)現象に陥っていただけると、とってもとってもありがたい。「蛙化(カエル化)現象」「蛇化(ヘビ化)現象」…、次にくる言葉は何でしょう。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔