加藤のコラム第102号
QOLって何だろうと考えてみた
QOLって、よく出てくる言葉です。医療や介護、福祉業界では、利用者さんのQOLを高める支援を考えて実行していくことが求められます。
ところで、QOLって何なの?
いろいろな文献をひもとくと、こんなことが書かれています。
【Quality Of Life 略してQOL】ですから、QOLは「より多く」よりも「よりよく」という価値観であり、「物質的な豊かさに満たされた生活」ではなく、「毎日が充実し、心身が満たされた生活」に焦点を当てた考え方と言えます。
一方、【Activity of Daily Life 略してADL】とは、日常生活を送る上で必要な基本的な動作である、食事、更衣、排泄、入浴、整容、移動などを指します。
以前の障がい者リハビリテーションの目的はADLの自立が中心でしたが、徐々にQOLを求める方向へとシフトチェンジしてきています。例えて言うなら、長い時間をかけて衣服を着替え、自分の足で歩いた結果、目的地での活動の時間が減ってしまうよりも、人や機械の手を借りてADLに費やす時間を短縮し、目的地での自分の活動時間をしっかり確保できる人のほうが、HAPPYなんじゃないのという考え方への転換です。
さて、人間としてふまじめに仕上がっている加藤は、もうちょっとゆるい視点でQOLを考えてみたくなるのです。そこでKatopediaの登場です。
【QOL】
一般的には、生活の質を高めるという視点で生き方をとらえる発想のこと。
「QOL⇒Q暇(休暇)のOL」として考えてみると、QOLを高めるためのポイントが見えてくると言われている。
休暇のOLさんは…。
- 自分で選択し、自分で決定している。
ダラダラしてもいいし、片付けしてもいいし、料理してもいいし、出かけてもいいし、鍛えてもいいし研鑽に励んでもいいし。
- 他者とのかかわりの有無は関係ない。
一人で過ごすもよし、だれかと過ごすもよし、どっちでもよし。
つまり、Q暇のOLさんにとっては、自分で決めたことが自分の休暇の正解なのである。さて、それを対人支援に置き換えてみるとこうなる。
「ライフスタイルの価値観を支援者を含めた他者から強引に押し付けられることなく、自分で決められることは自分で決めてもらい、自分の力で決められないことについては、支援者はなぜその提案をしたかの根拠を明確に示すことができなければならない」 これがQ暇のOLから導き出されるQOLの考え方である。
いかかでしょう? ボク的にはQuality Of LifeよりもQ暇のOLのほうが考え方としてわかりやすいという私論(暴論?)なのでございます。♪Q暇のOL、QOL♪ という自作の鼻歌を歌いながらこのコラムを書いております。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔