加藤のコラム第110号
ほめる達人は怒りのかわし方も達人らしい
さだまさしさんという超有名シンガーソングライターがおられます。直接お会いする機会がまったくないので伝聞ではありますが、周りのスタッフをよくほめる方だそうです。
「それ、すっごい面白いと思う」「最高だね! 完璧だわ!」
「よくここまで仕上げたねえ、やるもんだなあ」
「美味い!絶品!」
「いいねえ。ありがとう。わかってるねえ、君は!」
などなど、なにげない感謝の言葉を出し惜しみしない方のようですね。これはぜひとも見習わないとなりません。
ほめる達人であっても、カチンとくることもそりゃあるでしょう。相手に「何やってるんだ!」と言いたくなるようなシチュエーションに出会うこともあるはずです。さださんは、そんなシチュエーションのときには、「そうくるか!?」「そうきたか!?」と言うそうです。
「何やってるんだ!」と言いたくなるときには、いったん「そうくるか!?」「そうきたか!?」で受け止める。なるべく脱力する感じで言うほど効果が上がるらしいですよ。確かにこれを言うと、怒りのガス抜きができますね。応用編としては、「まさか、そっち~?」とうなだれるというのもあるそうで、少し冷静に客観的になれる間を持つことで、次にこの相手にどう伝えたらいいのかを考える余裕が生まれるとのこと。
長く一線で活躍を続けている方というのは、才能だけで生き残っているわけではなく、人を惹きつける何かを持っているのでありましょう。
ボクがいる福祉業界では利用者さんへの虐待事件がよく話題にのぼります。アンガーマネージメントが必要だとも言われますけれど、「そうくるか!?」「そうきたか!?」といったん口に出すことは実に有効な方略だと思った次第です。いいことは真似しましょう。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔