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加藤のコラム

加藤のコラム第116号

インフルエンザの冤罪

 

昨年末に、うちの奥さんがインフルエンザA型に罹患しました。発症したのは12月17日日曜日夜でした。

 

前日の土曜日、ボクはたまたま家にいて、発症した日曜日夜は泊まりに入っていましたが、うちの奥さんからLINEがきて「熱が出た。きっとインフルエンザだと思うから気を付けて」という内容でした。ボクは、人生においてインフルエンザにかかったことがなく、しかも自分はまったく元気でしたから「とにかく早く寝ろ」と返信しました。

 

翌日、うちの奥さんが病院に行くと、案の定インフルエンザA型の診断が出たのですけれど、最近になって、こう主張するのであります。

 

①インフルエンザは誰かがそのウィルスを持っていて、だれかにうつしてしまうものだ。

②熱が出る前の日に、ボクがたまたま家にいた。

③ふだんと違うのは、ボクが家にいたということだ。

④おそらく、ボクが発症していなかったけれどウィルスを持っていて、それがうつったに違いない。

⑤絶対そうだ。それしか考えられない。

 

最初は「気を付けて」と言っていたのに、いつのまにやらボクがうつしたことにすり替わっております…。そんな無謀な論理があるかと反論しましたが、うちの奥さんはケラケラ笑いながらも、その主張をまったく曲げようとしません。「具合いの悪くなり方がなんかアンタのウィルスっぽい」「感覚的にアンタのウィルスで間違いないと思うのよ」という、わけのわからない説を唱え始め、あと5年もしたら、ボクがうつしたということが完全に既成事実化されそうです。

 

その冤罪は絶対にまぬがれないとならないので、娘と息子のお嫁さんには、こういう冤罪に陥れられそうだぜというLINEを送りました。ボクがうつしたという主張は権力者の思い込みによる根も葉もないデマであるという証人を用意しておかないとなりませんから。ちなみに息子は「了解です」と何も考えてない返事をよこしておりましたので、この男は証人にはなりそうもありません。「了解です」と返すなんぞ、相手側証人になるつもりかもしれません。

 

こうやって人は冤罪へと陥れられていくんだな、そして、歴史というのはもしかして事実とは異なることがあたかも事実のように後世に語り継がれていることがあるかもしれないぞという学びを得たできごとでありました。ああ、おそろしや。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔