» 地域づくりの取り組み自閉症者地域生活支援センター なないろ

なないろの取り組み

2021年になないろがオープンして3年が経ちましたが、その中での地域とのかかわりについて少しご紹介いたします。

 

【近隣福祉事業所との協働】

なないろの内部には生活介護・短期入所・相談支援のほか、グループホームの生活を支える支援、余暇活動を応援する支援の機能があり、なないろのおとなりには同法人のゆい・おがるもありますが、東雁来の地域の一事業所として地域における活動にも参加しています。これまではコロナもあって広く地域活動ということが難しかったのですが、近隣の福祉事業所と一緒にゴミ拾い活動とか2024年度には地域の公園清掃の活動など少しずつ町内の一員としての活動にも混ぜてもらっています。また、なないろ主催のイベントには近隣の福祉事業所にもお声がけをして参加してもらい、事業所同士の交流も行っています。

まだまだ限定的ですが、少しずつ協働の機会が増えていくように取り組んでいきます。

 

【相談分野での横のつながり拡大】

2021年度から同じ地域生活支援拠点に登録している指定相談支援事業所同士で協働体制を作って共同体を作れることになったことを受けて、近隣区の3つの相談支援事業所間で共同体を組み、定期的な情報交換や対応に迷っている事例について助言をもらったり、スーパーバイズを行ったりということをやっていましたが、札幌市内で同じように協働体制を組んで共同体として活動し始めているところが何か所か聞こえるようになったことを受けて、共同体同士の情報交換会を開催しています。地域やバックグラウンド、利用者像の違いもあり、同じ共同体という枠組みでも共同体としてのあり方もさまざま見えてきています。情報交換だけではなく共同学習会を開くことなども行って、ネットワークのひとつと位置付けて取り組んでいます。

相談室にじいろにおいてはこれまで3つの相談支援事業所間で共同体を組んでいましたが、2024年度からはさらにもう一つの共同体を組んで、人材育成を主目的として動いています。

 

【札幌市短期入所事業所ネットワーク会議】

市内に160か所もある短期入所事業所ですが、活動時間帯が事業の性格上夜間になることもあってなかなか横のつながりとか相互の交流とかが難しい状況があったため、2022年度から札幌市内全事業所に呼びかけを行って、有志の方々と細々と活動をしています。

相互に課題として考えていることやこれからの展開について意見交換を行ったり、他法人の短期入所事業所ではどのようなことを行っているのかの情報交換や見学会を開催して日頃の支援の参考としたり、メーリングリストで近況の確認をしたりなど行っています。

まだまだ限られた参加ですが、随時新規参加者は募集しているので、気になる方はご一報ください。

 

【地域生活支援拠点の一翼として】

札幌市の地域生活支援拠点の一機能となる緊急入所受入先調整窓口という仕事を受けています。この事業はご本人の理由、ご家庭の理由などにより緊急的に受入先を確保しなくてはいけないような状況のときにその相談・調整を行うというものになります。平日日中帯については受入先となる短期入所の調整役の方が動ているので、ご家庭からの相談の窓口となる行政や相談室などが調整をするということになりますが、夜間や休日(土日祝日や年末年始など)は調整役の方も不在だったり相談の窓口も閉まっていたりと調整がなかなか進まない状況になりがちなので、そこの時間帯の調整を行うということをやっています。

それでもなんでもかんでも受け入れ調整ができるわけでもないため、長期間の受入が必要となる場合にはとりあえず一泊二泊の調整はできたとしても長期の部分は本来の相談窓口にその役割を担ってもらったり、札幌市の事業として行っていることから市外の方の調整についてはそれぞれの市町村が責任をもってやってもらうことになったり、あくまでも夜間の受け入れの調整でしかないため日中の場については別に調整をしてもらう必要があるなど、役割を割り振りながら動いています。

目指すところは緊急があっても動じないマチ、マチの体制ですね。

 

【自立支援協議会への参画】

各地域で自立支援協議会が動いていますが、190万都市の札幌では市の協議会があり、そのほかに専門部会や各区の地域部会などが置かれています。なないろでは所在している東区の地域部会に運営委員として関わらせてもらい、地域課題の協議やイベントの運営にかかわるほか、2023年度からは年度シリーズで専門研修の開催協力なども行うようになっています。事業所だけでの活動だとどうしても限られた範囲でしか地域が見えなくなってしまうため、このような活動を通して地域全体を見たり地域と協力する機会は非常に大切なものになっています。