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加藤のコラム

加藤のコラム第138号

宝くじはなぜか買う気にならない

 

人生において、宝くじを買ったという経験数はおそらく片手に満たないと思います。自分から能動的に買ったことは1回もなくて、たまたま複数名で街中を歩いているときに「宝くじ買おうぜ」と言い出す人がいて、その流れに乗らないと空気を悪くするなと感じた場面でお付き合いという社会人っぽいふるまいにより購入したという経験のみです。それ以外だと、忘年会とかの景品で1枚貰ったことがある程度の宝くじ歴でございます。

 

確固たる信念に基づいて宝くじとの距離を取っているわけでもないのですが、なぜか買う気にならないのです。そりゃ当たったらうれしいし、買わない限り当たることもないということも知っているのですが、なぜか買う気にならない。

 

当たりを自分で予想しようがないのが宝くじ。自分で予想する楽しみがないものにお金を使う気にならないというのが、実に大ざっぱな自己分析です。競馬にはまった時期もありまして(2023年3月10日「函館競馬場の思い出」という加藤のコラムをご参照ください)、予想する時間が競馬の楽しみでした。パチンコもちょっとたしなんだ時期はありますけれど、腕がないのか予想する楽しみが持てなかったのか、パチンコにはほぼほぼはまりませんでした。

 

予想する労力をつぎ込んでいないのに宝くじが当たってしまったら、そこで人生の幸運を使い切ってしまって残りの人生は悪運しかやってこないのではないかという、何の根拠もない思い込みも自分の中にあるようで、「当たったら残りの人生不幸間違いなし」と無意識に宝くじブレーキをかけているところもありそうです。

 

ということは、宝くじに当選番号予想の視点が導入されたら、ボクはまるかもしれません。たとえば、10桁の番号で当選を決めるとして、10人の有名人が1桁ずつの受け持ちになり、自分が思い描いた番号を言うわけです。この人は何の数字を言うのかを予想して、その番号のくじを購入するというシステムです。10人の有名人には「この番号を言え」という脅迫や身の危険があるかもしれないので、番号発表までは身を隠していただきますけれど。

 

ワイドショーでは、この人の人生を左右した数字はきっとこれでしょうなんて特集が組まれ、予想を盛り上げていくはずです。身を隠している間は他の仕事をなかなかできませんが、身を隠しているだけでギャラがもらえると考えればおいしい仕事になるかもしれません。

 

もし長嶋監督がその10人に選ばれたら、多くの人は現役時代の背番号「3」を言うだろうと予想するでしょうが、長嶋監督は好きな数字を聞かれて「そりゃあもうラッキーセブンの3ですよ」と答えたというすごい逸話のある方です。「私が発表する数字は、やはり背番号3にちなんで7です」なんて、大どんでん返しの発表を大真面目にしてくれるに違いありません。

 

こういう宝くじがあったらちょっとワクワクしません? 日本宝くじ協会のみなさん、ぜひご検討ください(このコラムを読んでいるとはとうてい思えませんけれど)。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔