加藤のコラム第145号
空港で夜明かししました
先日、岐阜に出張に行きました。行きは19時25分新千歳空港発、21時05分中部国際空港着の便で、岐阜には23時くらいに到着見込みでした。
新千歳空港に向かう途中で、運行状況のお知らせがスマホのアプリに入ってきて、その一報は「遅延のため21時発」でした。「あらまあ、遅れるんだ」と思いつつ、でもまあ、岐阜に到着するのが遅れるだけだし、新千歳空港でお酒飲んで時間つぶせるという妙な背徳感から逆にワクワクしておりました。
ほどよく飲み終わり20時くらいに出発ロビーに入ってスタンバイしていたら、出発時刻がまた延びて21時30分という掲示。中部国際空港から岐阜に向かうための最終鉄道便は23時30分だということは調べていましたが、「ギリギリだな。でもまあ、少しは出発を遅らせてくれるだろう」とたかをくくっておりました。
そうしたら22時出発に掲示変更。これは完全に23時30分には間に合わない状況ですが、「こういうときは臨時便が出るに違いない」と、これまたたかをくくっておりました。
で、出発は結局22時15分くらいで、中部国際空港に降り立ったのは0時。鉄道もバスも動いている気配はまったくなく、「おー、これはまずいな」とようやく気付き、近隣ホテルの案内の紙が配られていたのでとりあえず片っ端から電話してみましたが、すべて満室ですとのご回答。こうなったら空港に泊まるしかないなと覚悟を決めて、宿泊予定だった岐阜のホテルに「朝だけ利用しますのでよろしくお願いします」と連絡しました。
空いていたいすに座りながらどうやって寝ようかなと思っていると、続々と人が増え始め(どうやら羽田空港が雷雨のため、何便か中部国際空港に降りたようです)、毛布も用意されていました。毛布の存在に気付いたのはかなり後のことだったので、ボクは毛布をゲットできませんでしたけど。
こういう状況下で、だれも文句を言わず、みんな淡々としていて、日本人ってすごいなと改めて思いましたね。お隣の方とは、トイレ時などお互いに荷物を見合いましょうという約束をさせていただいたので、トイレや喫煙は行きたいときに行けました。そのときについでにあちこちの様子を見てきたのですが、毛布を何枚かキープして床に寝ている方がたくさんおられて、「なるほど、いすじゃなくて床に場所を確保すればいいのか」と勉強になりました。
始発電車は5時24分で、ほぼみんなその電車に乗るので、電車は超満員でぎゅうぎゅう。荷物も多いし。それでも日本人は文句言わずに乗っていて、日本人はりっぱだとまたもや思いました。
空港でたくさんの人が夜明かししていましたけど、ニュースになったというわけでもなく、中部国際空港では夜明かしすることはそんなに珍しくないのかな。ボクにとっては、人生初の空港で夜明かし体験だったので、いい経験でした。次の機会があれば、もっと快適に夜明かしできるようにしたいと思います。もちろんその機会に出会わない方がいいのでしょうけれど、出会ってしまったときには、よりりっぱな日本人としてのふるまいができたほうがいいですから。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔