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加藤のコラム

加藤のコラム第148号

ゴールが見えても失速しない人がすごい説

 

信号機のない横断歩道を渡るとき、止まってくれた車への気遣いから、小走りで横断される方はけっこういらっしゃいますよね。別に小走りする義務はないのですが、ボクは日本人の美徳のひとつだと思っています。

 

加藤によるいいかげんな調査によれば、特に大人の場合、小走りする方のほとんどは渡り切る前にスピードを緩めているというデータがあります。この場合、道路向こうの歩道に到着するのがゴールなわけですが、小走りしていてもそのゴールの数歩前で小走りをやめているというデータです。どうですか? そうは思いませんか? 勢いよく駆け抜けてから歩き始める大人を見たことは…たぶん…ないですよね。

 

別にそれがいいとか悪いとかを論じるつもりはまったくございません。ボクも道路向こうの歩道に到着する前にスピードを緩めているはずなので。そう、特に意識しているわけでもないのに、ゴール手前でスピードを緩めてしまっているんですよ。この点に着目が向いてしまった加藤は、奇妙な論理を展開していくわけです。

 

論理① 人はゴールが見えると安心して、ペースが落ちる生き物ではないか

いついつまでは頑張る、ここまでは頑張ると決めると、確かに一時的にモチベーションが上がる場合もありますが、「どうせ終わるからまあいいか」とか「もうすぐ終わりだから無難にいこう」という心理が働いて、そのゴールが近付いてくると少しゆったりしてしまうという習性が人にはあるんじゃないかなあと勝手に思っています。脳科学の権威からは、そんなことはないとボロクソに言われるかもしれませんけど、素人感覚としてはそう思ってしまうのでした。でも、「それも人じゃん」とも思っています。

 

論理② だからゴールまで全速力で駆け抜けられる人が超一流と呼ばれる

オリンピック選手の中には、オリンピックが終わったら引退すると決めて臨んでいる人もいたと思います。しかし、オリンピック前にペースが落ちることはたぶんないでしょうし、より自分を追い込んでいたと思います。ゴール手前でペースが落ちるのが人の習性のはずなのに(あくまで加藤説)、それを超える戦いを自分としているわけですから、さすがオリンピアン。

 

この二つの論理から、凡人のボクが心掛けるべきことが見えてきました。

 

心掛けるべきこと① 道路を横断するときは駆け抜けるべし!

ゴール手前で緩めてしまうことを少しでも打破するには、道路を横断するときに駆け抜けるくせをつけようと決めました。小さなことからコツコツと。

 

心掛けるべきこと② ゴールをとりあえず決めないで、突然ゴールする!

凡人はゴールを決めてしまうと手前でスピードを緩めてしまうのであれば、とりあえずゴールを決めないで、緩めずに走っているときに突如ゴールを作ってしまえばいいという逆転の発想。年齢的には、いつ引退してもおかしくないボクですが(早く引退しろという声も多いに違いない)、ある程度スピードを出して走れている間にスパッと引退しちゃうのも凡人なりの適切なゴール設定かもしれないなと思ったのでした。そうしたら緩むことがありません。「おまえは最初から緩んでいるぞ」と言われたら、返す言葉もございませんが。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔