加藤のコラム第149号
団体戦化とプロリーグ化でパラリンピック競技を盛り上げる
オリンピックに比べると、パラリンピック競技のテレビ中継数は確かに少ないです。あくまで個人の感想ですけれど、それは障がい者スポーツが軽視されているわけではなく、興行としてのおもしろさを開拓する余地がまだまだあると考えたほうがいいのではないかと思っています。
車いすラグビーの決勝をちょっとだけテレビで見ましたが、アメリカンフットボールみたいな役割分担や細かい戦術があって、見せるスポーツとしての可能性がかなりあるんじゃないかと思いました(ド素人のくせに偉そうな言い方をしてしまい申し訳ありません)。
見ておもしろいものならば、オリンピック競技だろうがパラリンピック競技だろうが、そんなことに関係なく注目度も人気も上がるはずだという単純な考え方に立つのが建設的な発想だろうということです。
多くの個人競技で団体戦化を組み入れていますが、それは「素人が見てもおもしろいものにしよう」という考えからだと思うのです。柔道やフィギュアスケートも国別対抗を始めています(柔道はルーレットまで導入しちゃいました)。
車いすラグビーを例にとると、競技自体はチームで行うものなので、団体戦化はすでにされていると言えます。となると、プロリーグ化という要素をどう展開していくかがカギになるわけです(実際にプロ化できるかどうかは別にしても、その要素を取り入れることはムダにはならないはず)。
そこで参考になるのがMリーグです。Mリーグ、ご存じない? マージャンプロリーグでございます。Mリーグってドラフト会議もするし、女性も必ずメンバーに入っていないといけないし、ABEMA TVで中継しているし、見せる化をかなり意識しているように思われます。学べる点が多々ありそうです。
車いすラグビーも女性がメンバーに入ると戦術面のメリットがあるというルールがありますから、あとはドラフト会議とかをして、ネットTVが日々の試合を放映してくれたらかなり盛り上がるような気がしますね。プロリーグ化するということは、各チームがいろいろな都市に本拠地を構えることになるので、その街も活性化します。
ドラフト会議では、車いすラグビー未経験者も含めて、その可能性に賭けた指名をしていただけるとドラマがどんどん生まれることでしょう。ここでは車いすラグビーを例にしていますけれど、車いすバスケットだって、他のスポーツだってプロリーグ化するという視点で考えてみたら何かもっとおもしろいことができそうな気がします。
こういう街づくりや国づくりをしていけば、世界における日本の存在感も高まるように思うのですが。次期総理大臣の耳に届きますように。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔