加藤のコラム第156号
ジャイアンツは負けちゃったけど
加藤家は祖父の代からのジャイアンツファンです。奥さんは日本ハムとドジャースのファンになりましたが。彼女は大谷さん以外のドジャースの選手にやたら詳しくなり「ドジャースはピッチャーが弱いんだよね」とよく言っています。早起きしてドジャースの試合を見ていて、「応援があるから忙しい」とも言っております。そのうち一人でロサンゼルスに行って生応援するんじゃないかと思えるくらいです。
さて、我がジャイアンツはクライマックスシリーズにおいて、DeNA横浜ベイスターズに敗れました。ファンとしては残念で寂しい限りですが、一番勝ちたかったのは選手や監督、コーチ陣のはずであり、この悔しい思いを来季の糧にしてくれるものと信じております。勝利という結果は出せませんでしたが、DeNAさんがこのシリーズでは上回ったというだけで、ジャイアンツが情けなかったわけではございません。
「スポーツ選手はグッド・ルーザー(良き敗者)たれ」という言葉があります。負けたときこそ相手を祝福する、そうしたグッド・ルーザーであれば、必ず次の勝機が生まれてくるでしょう。そして、そうできる人間はきっと努力した人間であり、一生懸命練習して本気でやってきたから、負けても爽やかに「これは仕方ない」と思えるはず。我がジャイアンツも「グッド・ルーザー」であると信じております。
ファンも「グッド・ルーザー」でなければなりませんから、私、DeNAさんを讃えたいと思います。DeNAさんの日本シリーズの健闘を祈ります。
さて、ファンとしての「グッド・ルーザー」のモデルみたいな方のお話をして終わることにしましょう。女子サッカー日本代表なでしこジャパンがアメリカを破って日本サッカー史上初のFIFAワールドカップ優勝を決めた2011年7月17日の翌日のお話です。
「優勝したなでしこジャパンに会ってぜひお祝いの意を表したい」とサッカー協会に伝えてきたのは、ジョン・ルース駐日米国大使(当時)でした。世界一を決める大会の決勝戦で敗れた相手国の選手たちを駐日全権大使としてぜひお祝いしたいとのこと。アメリカチームは優勝候補の筆頭で、圧倒的な力で勝ち進み、決勝でも圧倒的有利の予想がされていました。でも負けちゃった。
非常に短い時間ではあったものの、ルース大使はすべての選手と握手を交わし、お祝いの言葉をかけられたそうです。そして、このように述べられます。
「ひとりの熱心なスポーツファンとして決勝戦にくぎ付けになりました。米国代表チームを懸命に応援しましたが、結果として米国チームはなでしこジャパンの勝利への意欲を上回ることはできませんでした。チームのメンバーにお会いして接戦の末の勝利をお祝い申し上げることは、私にとって大きな名誉です」
ボクなんかちっぽけな人間なので、敗者になったとたん、ねたんでいじけてふてくされること間違いなしなのですが、敗者として勝者を称えることができるのは光栄であり名誉なことなのだと思える人間になれるよう精進します。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔