加藤のコラム第160号
プライミング効果って言葉を覚えました
お呼びいただいた研修会で拙書の紹介を図々しくもすることが時折ありまして(厚顔無恥とはこういうことを言います)。
そのときに「けっして宣伝ではございません。サブリミナル効果の社会心理実験です」なんて言いながら、ちょっとしたウケねらいで、書籍の紹介スライド2枚をパカパカと何度もしつこく繰り返し再生するという、はしたない行為をしております。
でも、これ、実はサブリミナル効果ではなかったのです。うかつでございました。はしたない行為をしていた上に、間違った知識を吹聴しておりました。
では、説明させていただきます。とあるホームページからの引用です。
サブリミナル効果は、広告業界において消費者の潜在意識に働きかけ、無意識のうちにブランドへの好意や購買意欲を高めるための手法として注目されたものです。 通常の広告では視聴者が明示的に認識できるメッセージやイメージを使いますが、サブリミナル広告では視聴者が気づかない微細な刺激を使ってブランドメッセージを伝えます。
では、ここでプライミング効果という言葉を登場させます。この言葉を加藤は覚えたのであります。以下は、とあるホームページからの引用です。
A「シカって、10回言ってみて」
B「シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ」
A「サンタクロースが乗っているのは?」
B「トナカイ」
と、ほぼ100%こういう会話になる。もちろん、正解は「そり」である。「シカ」と言わせず、いきなり質問したら、まず間違えないだろう。しかし、シカを10回唱えるうちに、関連する単語(この場合は、トナカイ、バンビ、奈良など)が意識のすぐ下に集まってくる。そのため、ちょっと潜在意識をつつけば、すぐに「トナカイ」が意識に上るのである。これがプライミング効果だ。
プライミング効果、なんか物知りになった気がしたので、思わずこのコラムを書いてしまったという次第です。
さて、冒頭に紹介した、加藤の厚顔無恥な、拙書の紹介スライドをパカパカと何度も繰り返す下品な行為に話は戻ります。
これみよがしに提示していますので、サブリミナル効果ではございません。まったく違います。では、プライミング効果なのか? 潜在意識を突っついているわけではなく、あまりに露骨なやり方なので、残念ながらプライミング効果だと言い張ったらこっぴどく怒られるレベルでしょう。
でも、せっかく覚えた言葉なので「あなたの潜在意識に訴えるプライミング効果の間違った使い方です」と言うことにしようかな。加藤はどこまで厚顔無恥なのか…。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔