加藤のコラム第125号
校歌ってすごいよな
卒業式や入学式には校歌斉唱という場面があります。大学の中には校歌がないというところもあるみたいですが、ほとんどの小中学校や高校には校歌がありますよね。これ、すごくないですか。校歌に対してほぼすべての日本人が共通体験を持っているわけですから、「校歌あるある」でみんなが盛り上がれるということです。
個人的な偏見に満ち満ちているかもしれませんが、たとえばこんな「校歌あるある」はいかがでしょう。
多くの校歌の歌詞は「学校の近くにある山や海を讃えている」「希望、光、花、風、学び舎という言葉が多用される」「ああという言葉がサビに使われる」ような気がしております。そして、体育館正面の壁面には、糸のこで木を切って作った卒業制作作品の歌詞が掲示されていることが多いです。中学校や高校の先生方は、実は勤務している学校の校歌をちゃんと歌えない人がけっこういるのではないかと推察します(あくまで個人の感想です)。
小学校くらいだと校歌を歌う機会はそれなりに多い気がしますが、いい校歌ならその学校だけで歌われるのはもったいない。なんとか小学校の校歌がヒットチャート第一位になったらすごいと思いませんか。その年の紅白歌合戦に出場とか日本レコード大賞をとるとか、そんなことがあってもいいですよね。甲子園で勝利すると校歌が流れますけれど、それだけではない校歌のアピールの場があってもいいでしょう。
「オレの学校の校歌は、2030年のオリコン一位になったんだぜ」
「おー、その歌知ってる知ってる」
「おまえ、あの学校の卒業生なのか、すっげえな」
「よし、カラオケで歌っちゃおう」
なんていう「校歌あるある」があればかなり盛り上がれますし、ヒットメーカーたちがこぞってあちこちの学校の校歌の作詞作曲を手掛けてくれるようになるかもしれません。卒業シーズンである3月のヒットチャートは1位から10位までどこかの校歌ばっかりなんてことになれば、校歌に対する世間の印象が変わります。
そうなるとですね、校歌だけでなく社歌や法人歌を作る動きもどんどんさかんになってきて、「うちの会社はあいみょんさんが作っているんです」とか「福山雅治さんのアルバムにこの社歌が入ってますよ」とか、そういう社員募集の仕方も出てくるかもしれません。今いる社員や職員がその社歌や法人歌を作りそれが売れたらメジャーデビューとかしちゃって、そしたらその会社や法人にとってはオリンピック選手を輩出するのと同じくらい喜ばしいことにもなります。
音楽は人の心を動かすので、そんな動かし方もきっとできるはず。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔