» もらってうれしいものって何だろう?自閉症者地域生活支援センター なないろ

加藤のコラム

加藤のコラム第12号

もらうとうれしいものって何だろう?

 

ある当事者の方にこんな質問をされたことがあります。

「お世話になった人にお中元やお歳暮を贈った方がいいと思っているのですが、どこまでの人に贈ればいいのか、そのラインがわかりません」

そんな微妙なこと、オレもわからんなあと言いながら、こうお答えしました。

「加藤はお中元やお歳暮を贈ったことがありません。その理由は2つ。①贈られた相手の方が『お返しはどうしよう』とか『職務上、贈答品を受け取れないから返さないとならない』とか、よけいな気遣いをさせてしまうかもしれないので、それなら何もしない方がいい。②もらってうれしいものがわからないので、贈ったものがじゃまになるかもしれない。それなら何もしない方がいい。というわけで、加藤の考えとしては、お中元やお歳暮を贈らないと決めてしまえば、どこまでの人に贈ればいいのかという悩みはゼロになります。そもそも感謝の気持ちは会ったときに伝えればそれでいいわけだし」

質問された方の反応は「そんなもんですかねえ」という感じで、いまいち響いていないようでした。そのあと加藤から逆質問しまして「ちなみに、贈るとしたらだれの名前が思い浮かぶのですか?」と聞いてみたら、何十人もの名前を挙げておられました。その中に加藤の名前はまったく出てこなかった…。少々のショックを笑顔でごまかしながら「そんなにいるなら、だれに対しても何もしない方がお金もかからないし、品物のチョイスも大変だし、オレはもらったオレはもらわない…みたいな火種も起きないですよ」と言って、この話題の幕引きをさせていただきました。

 

ところで、もらってうれしいものって何でしょうねえ?人それぞれと言ってしまえばそれまでですが、「現金」や「何かのポイント」は万人に喜ばれるに違いありません。でも、それを贈ったりもらったりするのは粋じゃないので、贈り物文化が醸成されてきたのでしょう。最近は、カタログから選べるようになっている贈り物システムもありますね。

ボクは究極のお中元やお歳暮商品は、「一回だけの使い捨てドラえもんの四次元ポケット」だと思っています。そして、ボクなら、その四次元ポケットから「もしもボックス」を出します。「もしも加藤潔がだれからもちやほやされる世の中だったら」みたいなことを言いまくるでしょう。ほんとに自己中心的な発想しかできないやつだと自覚しております。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔