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- 2025.10.01
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村の恵み
ふれあいきのこ村では、椎茸を生産しています。
生産規模として、年間34万菌床を使用、椎茸を年間約140トン生産しています。
椎茸菌の品種は、森産業株式会社のXR1と113号という品種を主に使用しています。
北海道産の木を菌床に加工し、椎茸の種菌、培養に使用する栄養体まで含めて、全てを有機JAS公認の物を使用。無農薬・国産にこだわった、安心して口に運べる椎茸となっております。
肉厚さと、プリっと歯ごたえのある弾力が魅力です。
椎茸の傘の大きさ、肉厚さをそろえてより良い商品とするため、様々な作業をおこなっています。
椎茸は菌床栽培で生産しています。
菌床栽培とは、おがくずを固めた人工の培地(菌床)に種菌を植え付け、室内で椎茸を培養し発生させる方法です。
同法人の東米里菌床センターという事業所で、主にミズナラの木から作るおがくずを菌床に整形し、高温殺菌後に種菌を接種、適切な一定の温度・水分量で培養します。30日間の培養ができたところできのこ村の培養棟へ移動します。
きのこ村の培養棟で90日、合計で120日間かけて培養し、椎茸の菌糸を伸ばしていきます。
培養ができたらビニールハウスの発生棟へ移動し、椎茸の発生・育成をしていきます。
きのこ村には4棟のビニールハウスがあります。
それぞれのビニールハウスで同時に椎茸の栽培をおこなっており、毎日400キロ前後の椎茸を生産しています。
培養棟からビニールハウスの発生棟で1度目の収穫。収穫が1度終わったら、30日間かけてビニールハウス内で休ませます。休ませた菌床は再度菌糸が伸びていきます。そこで培地を水に1日漬けてやることで、再度椎茸を収穫することができます。その工程を更にもう1回おこなうので、1つの菌床から3回収穫をおこなうことができるのです。
しいたけの育成に大切なのは、温度・湿度のコントロールです。
きのこが発生しやすい秋の気候をビニールハウス内で再現するために職員が手を尽くします。温度の調整のために、太陽の熱を利用して温度を上げる・もしくは遮断しながら換気をして気化熱を利用して温度を下げるなど、なるべく環境に負荷のかからない方法で調整をします。
猛暑日はエアコンを使用してビニールハウスの温度を下げ、収穫量を維持しています。
厳冬期は近隣のゴミ焼却所の排熱を床暖房として利用して、ビニールハウスの温度を保っています。
温度だけではなく、水を撒いて湿度を調整することも重要です。そういった様々な管理を7~10日間おこなうことでようやく椎茸が収穫できます。
様々な努力で秋の天候へと近づけ、いい椎茸が育ちやすい環境を整えています。
温度・湿度以外にも、椎茸の大きさをそろえるために、菌床から出る芽を一つ一つ間引きしています。
コンセプト
福祉施設だからこそ、高品質で提供したい。
北海道きのこ品評会(主催:北海道きのこ生産・消費振興会)という会があります。品評会は、福祉施設だけではなく、全道の椎茸農家が、生産した椎茸の均一感・綺麗さ・大きく立派な椎茸かを競うものです。
2022年の第17回北海道きのこ品評会において、ふれあいきのこ村の椎茸は菌床生椎茸の部で北海道知事賞を受賞しました。
この品評会の最優秀賞は林野長官賞、北海道知事賞、日本特用林産振興会長賞とあり、事実上の「道内第2位」です。
きのこ村の椎茸は、過去にも2回最優秀賞を受賞しており、第16回では林野長官賞、「道内1位」を受賞しています。
それ以前にも優秀賞(北海道きのこ生産・消費振興会長賞)を複数回受賞しています。
福祉施設だから。重い自閉症の方を支援しているから。多少のミスは仕方ないという甘い考えではなく、生産者として自信を持って商品を提供する。
品質で選ばれ、おいしいから買っていただける。買っていただけるから、また椎茸を栽培する。
品評会に出るのは、私たちが生産した椎茸を、自信をもってお客様へ提供できると確信するためです。
お互いに得意なところを生かす
きのこ村では、栽培と出荷準備をおこなうのは、重度の自閉症、発達障がいのある方々です。
椎茸の間引きや収穫、良い椎茸を選別する作業など、利用者の皆さんが苦手なあいまいな作業は職員が担当しています。
椎茸の栽培は、毎日膨大な単純作業があります。
作業を一つ一つの工程に細かく分けてなるべく単純な作業にして、利用者一人一人の得意分野を組み合わせて作業していただきます。
「培養棟から発生棟へ培地を運ぶ」「運んだ培地を袋から取り出す」「培地一定の間隔で並べる」「休ませる培地から生えてしまった椎茸の芽を切る」「培地を水に漬ける・取り出す」「別の棚へ培地を運ぶ」「床の清掃」
どの作業も、培地1000~2000個もの量を運ぶ・並べる作業です。
単純な作業だけでも作業量は膨大で、かつ毎日おこなわないといけないことなので大変です。
ですが、自閉症の人の多くは、同じ作業の反復に集中して取り組むことが得意なので、きのこ村での作業を通じて、その強みを生かすことができます。
1年間365日、同じ作業量・作業内容を確保する上で、きのこ村のお仕事は非常にマッチしています。
その作業に見合った対価を利用者の方々に還元するために、一層良い椎茸を栽培し、お客様へ提供するために。椎茸の品質鮮度へのこだわりを持ち続け、選んで頂ける努力を続けていきます。
利用者の方々は、働くことの意義をどう理解しているかはわかりません。
しかし、吹雪やコロナの影響で仕事が途切れた時には、不安から落ち着きを失い、ちょっとしたハプニングがおこってしまうことがあります。きのこ村の中でご自身の役割があることに、充実感と使命感を持っていただけているのではないでしょうか。
事業概要
(福)「ふれあいきのこ村」の設立経緯と事業目的・運営方針 (設立経緯)
母体となった厚田はまなす園は、1987年の開設以来、入所利用者の社会自立を目指してきました。そこで、一般就労が困難な利用者や就労可能であるが就労先の見つからない利用者を支援する日中活動施設として、2003年「ふれあいきのこ村」が開設されました。
「ふれあいきのこ村」では、生産活動を通じて利用者の就労活動や社会参加を目指すため、近くにある北石狩衛生センターのゴミ焼却余熱(温水)を利用し、一年を通して菌床しいたけのハウス栽培を行っています。また、利用者にとって豊かな社会生活を送るため、地域活動や行事への参加を通じて、地域の方とふれあう機会をもちたい考えています。
沿革
- 2003年2月 ふれあいきのこ村開所(定員20名)
- 2006年4月 東米里菌床センター開設。法人内での菌床生産体制が確立
- 2007年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2008年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2009年4月 生活介護(定員30名)、就労継続支援B型(定員10名)の多機能型事業所に再編成
- 2009年 リサイクル棟を整備(NEDO国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構補助、馬主協会補助)
- 2009年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2010年 月 菌床培養棟を整備
- 2011年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2012年 パック棟新築
- 2012年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2014年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2015年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優良賞受賞
- 2016年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門優秀賞受賞
- 2016年12月 椎茸設備改修工事(日本財団補助)完了。栽培ハウスにエアコンを設置
- 2017年11月 北海道きのこ品評会にて菌床栽培部門北海道知事賞受賞
- 2019年11月 北海道きのこ品評会(21、22年は新型コロナウィルスのため開催中止)にて菌床栽培部門林野庁長官賞受賞
「ふれあいきのこ村」運営規定
事業計画 ふれあいきのこ村は、以下の事業計画に沿って運営していく予定です。
- 1. 授産事業の安定化
- (1) 年間を通しての椎茸の安定出荷・・・日量平均150kg以上
(2) 椎茸の加工品づくり
(3) その他の作業 ファーム(養豚のエサづくり)、周辺の環境整備、除雪サービス - 2. 地域支援の充実 とバックアップ施設としての役割強化
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(1) 地域生活支援、各グループホーム、実習寮の生活支援、世話人研修の強化
(2) 就労支援、現就労場所の確保、新規就労への取り組み
(3) 「厚田ぽけっと」との連携、常勤職員の配置、移動手段の確保 - 3. 利用者への対応
- 個別支援計画づくり、利用者間の人間関係の調整、作業環境の構造化、工賃アップ
定員:生活介護30名、就労継続支援B型10名
住所:石狩市厚田区聚富488番地1
電話:0133-60-3466 FAX:0133-60-3477
作業時間と通所利用日
9時00~16時30分
週休2日ですが、シフト制ですので土曜日や日曜日に通所されて平日を休みにすることも可能です。
石狩市内まで朝・夕の送迎を行っています。時間や乗車場所についてはご相談下さい。
作業内容
菌床しいたけの収穫・計量・パック詰め、栽培ハウスの清掃など
ハウス班とパック班に分かれ、利用する方々の能力や体力、年齢や障がい特性等に配慮し、最も適した環境で活躍できるように支援しています。また、またご家庭やグループホームスタッフの皆様とも連携しながら、利用する方々の生活支援にも取り組んでいます。
菌床栽培とは
しいたけ栽培には原木栽培と菌床栽培があり、ふれあいきのこ村は菌床栽培を行っています。北海道産木材を原料にしたオガ粉と、成長に必要な栄養体を混ぜて円筒形に成形し、しいたけ菌を接種したものを「菌床」と呼びます。
ふれあいきのこ村の菌床は、札幌市白石区にある東米里菌床センターで毎日900~1500菌床ほど作られています。菌床センターの培養ハウスで約30日、ふれあいきのこ村の培養ハウスで約80日ほど一定の湿度・温度で菌糸の成長を促した後、栽培ハウスで発生と収穫を行います。栽培ハウスは4棟あり、年間の収穫量は100トン以上になります。
栽培品種
XR-1(森産業) 113号(森産業)
ふれあいきのこ村のしいたけを購入できる店舗
コープさっぽろ各店(道央圏域の店舗)、アリオ札幌、JAいしかり産直市場とれのさと、道の駅(厚田、当別)、ホクノースーパー中央店、キタキッチン(地下街オーロラタウン)ほか
カーボンニュートラルへの取組
栽培が終わった後の菌床は、近隣の農家さんの畑に肥料として使用されるだけでなく、乾燥し木質バイオマスペレットとして再生し、公共施設の暖房や栽培ハウスの補助暖房として使用されます。
施設案内
管理棟
スタッフルームや食堂、休憩スペースがあります。昼食は厨房で調理した温かい食事を提供しています。管理棟の地下には近くの北石狩衛生センターから供給される巨大な温水タンクがあり、各栽培ハウスや事業所内の施設に暖房が供給されています。冬でも暖かく快適です。

栽培ハウス
4棟あります。椎茸の発生、収穫を行います。
見学の際にはスタッフが椎茸の栽培方法や成長過程を説明いたします。毎日300~500kg前後、年間140t以上の収穫があります。

培養棟
オガ粉を固めたブロックに椎茸の種菌を接種した「菌床」を一定の温度で培養しています。ふれあいきのこ村では培養に接種から約110日ほどかけています。培養が済んだ菌床を毎日約800~1000個ほど栽培ハウスに運んで発生と収穫を行います。一年間で約34万個の菌床を使います。

パック室
収穫した椎茸を、衛生面に細心の注意を払いながらパック詰めや袋詰めしています。計量や並べは手作業ですが、包装はパック機を導入して機械化し、作業しやすいよう流れを工夫しています。1パックの重さの幅を具体的に数字でわかりやすく提示しています。

取引先
- コープさっぽろ(道央圏の店舗)
- ホクノースーパー中央店
- いしかり地物市場とれのさと
- 道の駅石狩あいろーど厚田
- JAさっぽろ地物市場とれのさと
- 野菜の駅ふれあいファームしのつ
- 医療法人社団柏葉会 柏葉脳神経外科病院 (職員・患者様のお食事として)
アクセス
■多機能型事業所 ふれあいきのこ村
〒061-3331 石狩市厚田区聚富488-1
お問い合わせ
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