ステキな製品紹介

【社会福祉法人はるにれの里】ふれあいきのこ村

2025.12.23

「ふれあいきのこ村(定員20名)」は、平成15年2月に開設された知的障がい・自閉症の人たちの通所授産施設です。入所施設からケアホームなど地域に移行した人や在宅の障がい者への福祉的就労の場として、菌床しいたけの栽培・販売を行っており、その収益は彼らの貴重な工賃となります。

※定員20名は開設時の定員

ふれあいきのこ村は、日本財団の助成と北石狩衛生施設組合の支援を受け、平成15年に「知的障がい者通所授産施設」としてスタートしましたが、平成21年3月より就労継続B事業と生活介護事業を行う多機能型事業所となりました。現在40名の利用者が通所し菌床シイタケの栽培を行っています。

ふれあいきのこ村の紹介

1987年の開設以来、入所利用者の社会自立を目指してきました。そこで、一般就労が困難な利用者や就労可能であるが就労先の見つからない利用者を支援する日中活動施設として、2003年「ふれあいきのこ村」が開設されました。
「ふれあいきのこ村」では、生産活動を通じて利用者の就労活動や社会参加を目指すため、近くにある北石狩衛生センターのゴミ焼却余熱(温水)を利用し、一年を通して菌床しいたけのハウス栽培を行っています。また、利用者にとって豊かな社会生活を送るため、地域活動や行事への参加を通じて、地域の方とふれあう機会をもちたい考えています。
しいたけ栽培には原木栽培と菌床栽培があり、ふれあいきのこ村は菌床栽培を行っています。北海道産木材を原料にしたオガ粉と、成長に必要な栄養体を混ぜて円筒形に成形し、しいたけ菌を接種したものを「菌床」と呼びます。
ふれあいきのこ村の菌床は、札幌市白石区にある東米里菌床センターで毎日900~1500菌床ほど作られています。菌床センターの培養ハウスで約30日、ふれあいきのこ村の培養ハウスで約80日ほど一定の湿度・温度で菌糸の成長を促した後、栽培ハウスで発生と収穫を行います。栽培ハウスは4棟あり、年間の収穫量は100トン以上になります。

村の恵

ふれあいきのこ村では、椎茸を生産しています。
生産規模として、年間34万菌床を使用、椎茸を年間約140トン生産しています。
椎茸菌の品種は、森産業株式会社のXR1と113号という品種を主に使用しています。

北海道産の木を菌床に加工し、椎茸の種菌、培養に使用する栄養体まで含めて、全てを有機JAS公認の物を使用。無農薬・国産にこだわった、安心して口に運べる椎茸となっております。
肉厚さと、プリっと歯ごたえのある弾力が魅力です。
椎茸の傘の大きさ、肉厚さをそろえてより良い商品とするため、様々な作業をおこなっています。
椎茸は菌床栽培で生産しています。
菌床栽培とは、おがくずを固めた人工の培地(菌床)に種菌を植え付け、室内で椎茸を培養し発生させる方法です。

同法人の東米里菌床センターという事業所で、主にミズナラの木から作るおがくずを菌床に整形し、高温殺菌後に種菌を接種、適切な一定の温度・水分量で培養します。30日間の培養ができたところできのこ村の培養棟へ移動します。
きのこ村の培養棟で90日、合計で120日間かけて培養し、椎茸の菌糸を伸ばしていきます。

培養ができたらビニールハウスの発生棟へ移動し、椎茸の発生・育成をしていきます。
きのこ村には4棟のビニールハウスがあります。
それぞれのビニールハウスで同時に椎茸の栽培をおこなっており、毎日400キロ前後の椎茸を生産しています。

培養棟からビニールハウスの発生棟で1度目の収穫。収穫が1度終わったら、30日間かけてビニールハウス内で休ませます。休ませた菌床は再度菌糸が伸びていきます。そこで培地を水に1日漬けてやることで、再度椎茸を収穫することができます。その工程を更にもう1回おこなうので、1つの菌床から3回収穫をおこなうことができるのです。

しいたけの育成に大切なのは、温度・湿度のコントロールです。
きのこが発生しやすい秋の気候をビニールハウス内で再現するために職員が手を尽くします。温度の調整のために、太陽の熱を利用して温度を上げる・もしくは遮断しながら換気をして気化熱を利用して温度を下げるなど、なるべく環境に負荷のかからない方法で調整をします。
猛暑日はエアコンを使用してビニールハウスの温度を下げ、収穫量を維持しています。
厳冬期は近隣のゴミ焼却所の排熱を床暖房として利用して、ビニールハウスの温度を保っています。
温度だけではなく、水を撒いて湿度を調整することも重要です。そういった様々な管理を7~10日間おこなうことでようやく椎茸が収穫できます。

様々な努力で秋の天候へと近づけ、いい椎茸が育ちやすい環境を整えています。
温度・湿度以外にも、椎茸の大きさをそろえるために、菌床から出る芽を一つ一つ間引きしています。

生産ポリシー

福祉施設だからこそ、高品質で提供したい。
北海道きのこ品評会(主催:北海道きのこ生産・消費振興会)という会があります。品評会は、福祉施設だけではなく、全道の椎茸農家が、生産した椎茸の均一感・綺麗さ・大きく立派な椎茸かを競うものです。

2022年の第17回北海道きのこ品評会において、ふれあいきのこ村の椎茸は菌床生椎茸の部で北海道知事賞を受賞しました。
この品評会の最優秀賞は林野長官賞、北海道知事賞、日本特用林産振興会長賞とあり、事実上の「道内第2位」です。
きのこ村の椎茸は、過去にも2回最優秀賞を受賞しており、第16回では林野長官賞、「道内1位」を受賞しています。

それ以前にも優秀賞(北海道きのこ生産・消費振興会長賞)を複数回受賞しています。

福祉施設だから。重い自閉症の方を支援しているから。多少のミスは仕方ないという甘い考えではなく、生産者として自信を持って商品を提供する。
品質で選ばれ、おいしいから買っていただける。買っていただけるから、また椎茸を栽培する。

品評会に出るのは、私たちが生産した椎茸を、自信をもってお客様へ提供できると確信するためです。
きのこ村では、栽培と出荷準備をおこなうのは、重度の自閉症、発達障がいのある方々です。
椎茸の間引きや収穫、良い椎茸を選別する作業など、利用者の皆さんが苦手なあいまいな作業は職員が担当しています。

椎茸の栽培は、毎日膨大な単純作業があります。
作業を一つ一つの工程に細かく分けてなるべく単純な作業にして、利用者一人一人の得意分野を組み合わせて作業していただきます。

「培養棟から発生棟へ培地を運ぶ」「運んだ培地を袋から取り出す」「培地一定の間隔で並べる」「休ませる培地から生えてしまった椎茸の芽を切る」「培地を水に漬ける・取り出す」「別の棚へ培地を運ぶ」「床の清掃」
どの作業も、培地1000~2000個もの量を運ぶ・並べる作業です。
単純な作業だけでも作業量は膨大で、かつ毎日おこなわないといけないことなので大変です。

ですが、自閉症の人の多くは、同じ作業の反復に集中して取り組むことが得意なので、きのこ村での作業を通じて、その強みを生かすことができます。
1年間365日、同じ作業量・作業内容を確保する上で、きのこ村のお仕事は非常にマッチしています。
その作業に見合った対価を利用者の方々に還元するために、一層良い椎茸を栽培し、お客様へ提供するために。椎茸の品質鮮度へのこだわりを持ち続け、選んで頂ける努力を続けていきます。
ふれあいきのこ村のしいたけは、コープさっぽろ各店(道央圏域の店舗)、アリオ札幌、JAいしかり産直市場とれのさと、道の駅(厚田、当別)、ホクノースーパー中央店、キタキッチン(地下街オーロラタウン)ほかで購入できます。

アクセス

多機能型事業所 ふれあいきのこ村 
〒061-3331 石狩市厚田区聚富488-1

連絡先