自閉症について

自閉症について

はるにれの里の施設・事業所を利用している人の圧倒的多数が自閉症あるいは自閉的傾向と診断されています。 このように多くの自閉症の人を受け入れている施設(自閉症専門施設)は全国的に見ても少数ですが、他の知的障がい者施設でも自閉症の人の入所(通所)割合が増加しており、自閉症に対する専門的援助を模索している施設が多くあります。

札幌及びその近郊においては、自閉症への援助技術を高めるための研究団体として自閉症援助技術研究会(菊池道雄会長、事務局:自閉症・発達障がい支援センター おがる)が組織されています。福祉関係者を中心に定期的な例会や学習会、公開講座等を行っています。

自閉症とは

自閉症は症候群ですから、どこか似たようなところも持ち合わせてはいるのですが、その人その人みな違った個性を持っています。それをスペクトラム(連続体)と言います。 世の中は自閉症ではない人たちが多数派を占めていますから、少数派である自閉症の方たちは、人との関係がうまく形成されないといった社会性やコミュニケーションの苦手さ、目に見えないものを想像することの難しさを抱えてしまいがちです。他者の気持ちや考え、その場の空気を的確に読み取ることは確かに苦手かもしれませんが、豊かな個性を持っている人たちです。その個性が生きるような世の中にしていくためには、自閉症の人たちの世界を理解しようとする思いが大切であり、それがすべての出発点です。

「暗い」とか「人を避ける」というイメージは実際の自閉症を示す内容ではありません。自閉症そのものは治るというようなものではありませんが、適切な支援や環境があれば、その人なりの社会適応はもちろん可能です。

■原因

自閉症は発達障がいのひとつで、脳のタイプが異なる(考え方や感じ方が異なる)ことによって生きにくさを抱えてしまうのですが、それは先天的なことであって、親の育て方や愛情不足で自閉症になるという考え方は完全に誤りです。

■発症率

1%から2%くらいの人が自閉症スペクトラム圏ではないかと考えられています。知的障がいを合併しない、いわゆる高機能タイプの方々の方が多いだろうとも言われています。