イチオシの取り組み(事業所自慢)

ふれあいきのこ村 今年もしいたけの品評会にて林野庁長官賞受賞!

2025.11.21

ふれあいきのこ村はしいたけの品評会において、ドジャースに負けないくらいの連覇の偉業を続けております。そのふれあいきのこ村からの報告です。

 

「毎日同じことをするのは、本当は難しいことかもしれない」

 

ふれあいきのこ村には、生活介護と就労継続B型をあわせて、現在32名の方が利用されていますが、やはり利用者さん同士の関係性や動線への細やかな配慮、構造的な支援が必要であり、大多数をしめる29名の方が生活介護を利用しています。その29名の方のうち、いわゆる重度障害者支援加算の対象となる支援区分6・行動関連項目10点以上の方が26名、更に最近始まった中核的人材配置加算の対象となる行動関連項目18点以上の方も8名いらっしゃいます。他の人を叩いてしまったり大声で怒鳴ってしまったりする方、他の人の声や行動が気になって不安になってしまう方、他の人の物を黙って持ち出してしまう方、ガラスや物を一度壊してしまうと拘りで壊し続けてしまう方、程度の差こそあれ、他の事業所にもいらっしゃるような方が、きのこ村にもたくさんいらっしゃいます。それだけ多くの困り感を抱えながらも、そんな利用者さんたちが黙々と(ときどき笑顔も見せながら)自分自分の作業に取り組むことができている理由を考えずにいられません。

やはり椎茸づくりの作業が利用者さんに合っているということ。椎茸菌床の袋破きから始まって、移動や運搬・棚への並べ、カゴ入れ、ハウスの散水・床掃除、芽切り、収穫、計量、パック詰め、袋入れ、シール貼り、ラップ包装等々…、細分化された多くの工程で、みなさん必ずひとつ以上は独りで任せられるプロフェッショナルな作業種を持っています。そして菌床椎茸の栽培は一年365日、毎日変わらず同じ作業を提供することができます。休憩の時間も、みんなで一緒にテレビを視聴するだけではなく、近年は個別の休憩エリアも増え、スマホやタブレットPC等の普及によって、自分にあった休憩の楽しみ方を選べるようになってきています。ちょっとお金の話になりますが、昨年度一年間の平均工賃は(毎月の工賃と3回の賞与をあわせて)一人約43万円になります。生活介護を利用する方の工賃としては、きのこ村より高い金額をまだ聞いたことがありません。

 

10年前のきのこ村広報の写真に次のような言葉がありました。

「毎日同じ仕事かもしれない、でも、だからこそ熟練している」

「毎日同じ流れかもしれない、でも、だからこそ自立している」

「毎日同じことをするのは、本当は難しいことかもしれない」

「でもきっと、私たちはそれが得意なのです」

 

それが、品評会でも栄誉ある賞をいただける椎茸づくりと、お客さんに喜んで買っていただけることで利用者さんの工賃や生活のうるおいにつながっているんだなと、しみじみ考えさせられます。

 

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