シン加藤のコラム(理事長やってます)

シン加藤のコラム 通算第213号  日替わり定食

2025.11.21

日替わり定食とか日替わりランチとか、注文するかしないかは置いといても、どんなおかずが入っているんだろうかと気になりますよね。このアイデアをいったい誰が思いついたのだろうかと調べてみましたが、よくわかりませんでした。

 

でも思いついた人はすごい。飲食店経営をしたことないのでド素人の考えの域は出ませんが、食材の仕入れがだぶつくことはあるでしょうから、それをうまく消化できるだろうし、お客さんも定番メニュー以外の物を食べられるし、料理を作る人もいつも同じメニューばかりだと飽きるかもしれないし、一石三鳥くらいのメリットがあります。もちろん、日替わりのメニューを考える苦労は当然あるでしょうけれど。

 

プロ野球の世界では日替わり打線というのは、あまり歓迎されてこなかった歴史がありますが、最近は日替わり打線で成功をおさめている監督さんも現れてきています(成功しているとは言えない監督さんもおられますが)。飲食店にしろプロ野球にしろ、日替わりが機能するためには、料理人だったりそれぞれの選手だったりの能力値が高くないとならないでしょうから、うまくいっているということは一人一人の能力の高さを証明しているということでもあります。

 

この考え方は福祉現場にも当てはまるような気がしておりまして…(ボクだけかもしれませんが)。日本自体の労働力の減少は当然のことながら福祉業界にも押し寄せてきているわけですけれど、労働力は減少しているのに福祉の支援を必要としている人の数が減っているわけではありません。そうなると「日替わり業務」をこなせるスタッフがどのくらいいるのかが大事なポイントだなと思うのです。スタッフをがっちり固定できるような潤沢な労働力の確保が難しいとしたら(本来はひとつの業務に専念できるのがそりゃ理想的ですよ)、ひとつの現場だけではなくて、今日はこの現場にこの業務に明日はあの現場にあの業務にとあちこちの現場に入れたり業務を受け持てたりするマルチプレーヤーがたくさんいれば、なんとかかんとか現場を回していける可能性が高まります。

 

福祉は「日替わり定食」「日替わり打線」「日替わり業務」等々、日替わり界の最高峰に位置する業種として君臨していくことができます。つまり、福祉で働くこと自体が職業人としてマルチプレーヤーであることの証明になるというステータスを持たせちゃいたい。福祉は、welfareとかwell-beingとかsocial servicesと訳されることがありますが、福祉人のことをmultiplayer helping peopleという言葉にしてはいかがでしょうか。業界のイメージアップに少しでもつながりませんかね。

 

ちなみに、日替わり界の真のトップの地位にあるのは、毎日毎日の食事の献立を考えておられる主婦(主夫)の方々だと思っております。主婦とか主夫とかという表現自体がダメだとあちこちから文句言われそうで怖いのですが、他にいい言葉を思いつかず、ご容赦ください…。毎日三度の食事を日替わりで考えるなんてとんでもない偉業です。

 

社会福祉法人はるにれの里 理事長  加藤 潔

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