シン加藤のコラム(理事長やってます)

シン加藤のコラム 通算第223号   列車内で缶詰体験

2026.01.29

1月25日日曜日、札幌圏ではものすごい大雪が降りました。全国ニュースでも報道されていたみたいです。

 

そのときボクはどこにいたか。前日からの函館での仕事を終えてお昼くらいの時刻に特急北斗に乗り、札幌に戻る車内でのんびり過ごそうとしておりました。二日酔いだしウトウトしていこうという気満々で。

 

列車は順調に進んでいましたが、札幌がすごい大雪だよという個人的なメールがいくつか入ってきまして「帰ったら雪かきか…」と思いながらげんなりしていると、途中の停車駅で止まったまま列車がいっこうに出発しない。そして車内アナウンスで「札幌の大雪で除雪作業に入るため2時間ほど停車いたします」とのお知らせ。「あらあら、けっこうな雪なんだな。2時間くらいならまあ仕方ない」と思ってスマホとiPadで時間つぶし。ネットで調べたら、後続の列車はみんな運休になっていて、北海道各地から札幌に向かう列車は軒並み途中駅で止まっている状況だということがわかりました。でもそのときは「こりゃあ帰りは夜中だな」「まあなんとかその日のうちには帰れるだろう」とまだ楽観的に考えておりました。車掌さんもお忙しいのか、車内巡回する時間もほぼほぼ取れていなかったような気がします。ネットで情報取れる時代だから、みんな自分でいろいろ調べられるしね。車掌さんを見たら文句言う人も一定数いるだろうし、体調不良の方が出たとしても、駅に止まっているから救急車呼べるし。

ボクの隣の席の人は外国人の方でしたけど、列車が止まってしまった駅の手前にあった温泉駅が目的地だったようで、そこで下車されていたため、幸いなことに隣の席は空いている状況。「まあ、足も伸ばせるしありがたい」という気持ちで、引き続きスマホとiPadで時間つぶし。

 

そうこうしているうちに「エクスキューズミー」とボクに話しかけてくる、たぶん東南アジア方面からいらしたと思われる女性とパートナーの男性(若いお二人)がおりまして、チケットをボクに見せて現地語で何か話してきます。何語なのかはさっぱりわからない。チケットを拝見すると、確かにボクの座っている席なのですけれど次の列車のものでした。どうして改札を通過できたのかはわかりませんでしたが、駅員さんに再度確認してもらうしかないと思い(車掌さんがどこにいるかわからなかったし)、カタコトのいいかげんな英語でチケットを指さしながら「Next trainだよ。This trainはdelayなの。So you can ask to station staffだよ」と駅の改札口を指さして言いました。「askは違うな…」と思いつつ(相談するという英語が出てこなかった)通じたのか通じてないのかは定かではないですけれど、お二人は列車を降りて改札口に向かいました。そのお二人、10分後くらいにまた戻ってきて、列車内の空いていた席に座っていました(ボクの隣には座らなかったな。なんか気まずかったのか、話の通じない日本人の隣はいやだと思ったのか)。乗車券はあるわけだから、席が空いていれば乗って大丈夫だと説明されたのでしょうかね。でも、結局朝まで目的地には着くことはなかったので、その決断がよかったのかどうかはなんとも言えませんが…。

 

さて、2時間後、今度は「白老駅まで移動します」というアナウンスがあり、「動いたぞ、展望は明るい」と思ったら、白老駅に着くと「除雪作業にあと4時間ほどかかる見込み…」というアナウンスが流れました。「あやややや」と思いましたけど、もうしょうがない。人手が足りない中で除雪に尽力してくださっている方々には感謝しかないです。自分は除雪に協力できてないのですから。それにしても最近の自動翻訳機能はすごいですね、日本語のアナウンスの後、中国語、韓国語、英語で同じ内容(と思われる)のアナウンスが流れており、車内の8割以上は外国人の方と思われましたが、みなさん騒ぐこともなく落ち着いておられました(みんなスマホ見ていましたから、情報はすでに入っていたのかもしれません)。

 

「4時間か…」「スマホとiPadの充電が切れる…」と思い、デッキに行ったらコンセントが三つ。もちろんすべて埋まっていましたけど、10分後に行ってみたら1個空いていた。スマホだけ充電させてもらいました(1時間だけさせてもらって他の方へお譲りいたしました)。で、デッキにしばらくいたら、コンビニの袋を抱えて戻ってくる人が何人かいて、「駅の近くにコンビニあるんだな」と想像し、ボクもコンビニ探しの散歩に出かけ、燃料となるアルコール飲料とつまみをたらふく買って戻ってきました。一人居酒屋を楽しむしかありませんでしたから。

 

その後は「除雪作業にあと2時間ほどかかります」が定期的に何度かあり、そのアナウンスのたびにタバコを吸いに駅の外に出てついでにトイレを済ませてくるという行動を繰り返しつつ、結局白老駅停車中の列車内で夜明かし。朝方になって列車は動き出しましたが、少しずつ進んでは着いた駅で待機を5回くらい経て(いろいろな列車が順番に入線しますからね)、朝8時くらいにようやく札幌駅に到着。20時間以上かかって函館から札幌に移動したということになります。

 

めったにない、いい経験ができました。災害救助法が適用されたわけではないですから、災害というよりはすげえ大雪と言うのが正しいと思っておりまして、だから「いい経験だった」と言ってもバチは当たらないはずです。でも、ニュースは新千歳空港での夜明かしのみが報道されておりまして、JRに関しては運休という話しか出てこない。せっかく夜明かししたのになんかちょっとさびしい。多くの列車を必死に札幌まで運んでくれたJR北海道のみなさまの奮闘が世の中に伝わっておりませんから。せめてこのコラムで報告しておこうと思った次第です。世の中には届かないかもしれないけど。

 

 

社会福祉法人はるにれの里 理事長  加藤 潔

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