シン加藤のコラム(理事長やってます)

シン加藤のコラム 通算第246号   「ま、いっか」にまつわるお話

2026.07.09

個人的には、最強の日本語は「ま、いっか」だと思っています。「ま、いっか」精神は、自分のメンタルを揺らさずに他者ともめることもない、実にたおやかで、かつしたたかな言葉です。ゆずさんも、「心音」というアルバムの中に「ま、いっか」という楽曲を入れております。

 

参考までに、加藤のコラム第29号「カニさんやエビさんより、タコさんやイカさんの強さにあこがれるボク」というのがありますが(2022年5月20日配信・アーカイブからお探しください)、その中にこんな一節があります。

 

タコさんもイカさんも肉体はどちらかといえばクネクネとしていて、マッチョにはまったく見えませんが、食べると歯ごたえありで、見た目とは違うしたたかな味わいを感じさせます。(中略)一見、軟弱に見える風体だけれども、ポキッと折れることは絶対になく、その中身はしなやかな強靭さを備えている、それがタコさんとイカさんです。これこそが「真に強い」ということじゃないかと思うわけです。

 

おっと今回は、タコさんやイカさんからのお話ではなく「ま、いっか」にスポットを当ててのお話でした。話を戻します。

 

でも、この「ま、いっか」に対しては、肯定する立場と非承認の立場がありまして、まあどちらにも正義はありますね。肯定論としては【完璧にやらねばという厳しい見方を少し緩め、不完全な自分を受け入れるための自分への優しく温かい許容の言葉】、非承認論としては【ただの諦めや先送りに繋がる可能性があり、不真面目でいいかげんな人と思われることもある言葉】ということになるでしょうか。

 

絵本の世界でも、肯定派と非承認派があります。肯定派代表は、タイトルもそのものズバリ「ま、いっか」。

 

 

一方、非承認派代表は「ま、いっかかいじょうがやってきた!」というタイトルです。怪獣になってしまっております。この二つの作品を読み比べるととてもおもしろいですよ。

 

 

「鉄道員(ぽっぽや)」などの著作で知られる、直木賞作家の浅田次郎さんも「ま、いっか」というエッセイ集を出されています。肯定派のスタンスです。

 

 

 

精神科医の和田秀樹さんは、婦人公論オンライン版のコラムの中でこう書いておられます。原文のまま引用させていただきます。非承認派のスタンスです。

 

「ごく当たり前のこと」と思うかもしれませんが、頭に血が上っていたり、気持ちが動転していると、何も考えられず、思考停止の状態になる人がほとんどです。

「運命だから仕方がない」と諦めてしまうと、何も改善されないまま、残念な状況が続くことになります。

自分の意に反する出来事に遭遇したら、そこで立ち止まって、怒りをエネルギーに変えるつもりでアイデアを考え続けることが大切です。

「まぁ、いいか」と思ってしまうと、いつまで経っても、不満や怒りを持ち続けることになって、前向きな思考ができなくなってしまうのです。

 

博識でおられる、浅田次郎さんと和田秀樹さんお二人のスタンスが異なる、これまた興味深いです。

 

冒頭に書いたように、ボク個人は、間違いなく「ま、いっか」肯定派ですが、非承認派の考え方を否定するつもりは毛頭ございません。正義はそれぞれにあるし、考え方が異なるのは当然のこと。でも、正義と正義はぶつかり合うとろくなことがありません。正義と正義はお互いに適度な距離を取って「そういう考えもあるよねえ」と思いやることが大事です。だから、ボクは「ま、いっか」肯定派なのですけれど。

 

 

社会福祉法人はるにれの里 理事長  加藤 潔

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